イケメン王子のおっしゃるままに


□5月2日
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タカヒロと結ばれて凄く嬉しかった私だったけれども内心は少し複雑だった。
タカヒロは私の気持ちを汲んでHをしてくれたのだと勝手に解釈をしただけでタカヒロのホントの気持ちが分からなかったからだ。
アサコと寄りを戻すために私を振ったタカヒロは今はフリーの身とはいえあのイケメン・タカヒロにだったら他に言い寄ってくる女性がワンサカいて選り好みができるはずで、なのに同情かもしれないとはいえ私なんかとHをしてくれたってことは少しでも好意がなければそんな事もしたくはないはずなのに。
私はタカヒロがしてくれた行為の裏にある『確かな想い』が欲しくて堪らなくなってしまっていた。
中原先輩との同棲の話しもあって正に安定なところに向かおうとしているのにまだタカヒロをモノにしたいと思っているなんて何て恩知らずで欲張り者だ!と自分自身をなじるけれどもタカヒロへの想いが止まることはなかった。
私は二人が結ばれた翌日にタカヒロにメールを送ることにした。









実乃果『昨日はどーもです(*^^*)
タカッチとHができて嬉しいような恥ずかしいような、そんな気持ちでいっぱいだよ(照)』









タカヒロ『俺もミノと出来て嬉しかったよ(^^)
凄く気持ち良かったし(^^)』




タカヒロからのメールは意外にも早かった。
そしていつもの(^^)マークだ。
タカヒロも気持ち良かったんだぁwww
私は痛かったのもあったけれど勿論気持ち良かったでございますよ〜(〃∀〃)
イケメン王子からのお誉めのお言葉、大変嬉しゅうございますぅぅ♪
………でーはーなーくー!
ワタクシメはそーいうことが聞きたいんじゃなくてぇ!!
私は急いでメールを作成し一心不乱に送信ボタンを押した。









実乃果『そっかぁ、気持ち良くなってくれて私も嬉しいよぉ(*^^*)
いきなりだけど私ね…タカッチとはセフレの関係でもいいと思ってるんだぁ。
ていうかタカッチにだったら『都合のいい女扱い』されてもいいかな?ってさえ思ってしまった。
タカッチがバイトを辞めるって聞いたときホントに辛くてね、でもウチラって何の共通点もないからスグに繋がりがなくなっちゃうんだろうな…って感じてたんだ…。
でね、全く繋がりがなくなるくらいならセフレでもいいからタカッチとずーっと繋がっていたい!て思っちゃったんだ。
こんな私って変…かなぁ?』






…………。






どぅわーー!!
遠回しにタカヒロの気持ちを聞き出そうとしたとはいえ今自分スゴいことを送信してもうたぁ!!
ていうか本音といえば本音だからしょうがないけどマジで恥ずかしいんですけどぉぉぉ★(汗)
送信してしまった内容にオロオロ、ワタワタ、ジタバター!!と落ち着かない心境で返信を待っていたらタカヒロから間髪を入れずにメールが返ってきた。









タカヒロ『いや、変じゃねぇよ。
ミノの気持ち凄く嬉しいよ(^^)』




………ほへ?
ま、マジっスか!?
これは単純に受け取っちゃってもいいんスか!!?
私は図に乗った返信をしちゃいますよぉ??









実乃果『ありがとう(照)
これって友達以上・恋人未満って言うのかな〜?
もしタカッチが必要とするなら火の中でも水の中でも私は飛んでいくからいつでも呼んでねぇ(^^)』




はい…、一度振られた私はもうタカヒロに振られる勇気はなく、ましてや自負心が勝っている人間だから相手から確実な言葉がないとこれ以上は動けない臆病者だった。
タカヒロが私の意見に賛同してくれただけで十分に嬉しいことじゃないか。
ちゃんとした答えを聞き出せなかった私はあの時の夢で言った自分の言葉を付け足して聞き分けの良い子でいるしかなかった。
そしてタカヒロの返信がきた。









タカヒロ『ありがとうな(^^)
ミノも助けが必要ならいつでも言ってな(^^)』




単に私に興味がなくて流されただけなのかもしれないけれどタカヒロはやはり当たり障りのない返信をしてきた。
そして私の位置づけが決定された。




【恋人じゃないけど呼べばヤレる女】




自分で引き起こした結果なワケでタカヒロは全くの被害者なのだけれども私はタカヒロにだったら本気でそれでもいいと思ったし、これで二人に共通点が出来るのならば本望だと思ったから悔いはない。
彼氏のことや中原先輩のこともあるし今はこれがベストなんだ。
私がこれ以上を望んでも私自身も思うように動けないだろうし、タカヒロもその程度の女ぐらいに感じてくれれば気が楽だろうと自分に言い聞かせ心が納まった。
私は自分の気持ちが変わらないうちに中原先輩に一緒に暮らしたいという内容の電話をした。
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