イケメン王子のおっしゃるままに


□観察開始
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とりあえず私が見る限りアサコとタカヒロはバイト先でイチャつくことはなかった。
端から見ればちょっと気が合う仲間の一人にしか見えないくらい極自然で二人の距離もある程度を保っていた。
私が二人と知り合ってからもこんな関係だったしイザコザが生まれた今だからこの距離感になったというワケではない。
あまり旨くはいっていないとタカヒロは言っていたけれどバイト先では二人共今まで通り普通に話をしているし態度も至って変わってはいなかった。
そりゃー付き合っている事実すらも分かりにくいワケだわwww


私は改めてアサコという存在を分析してみた。
彼女は全く女の子っぽくはなく口調は男の子みたいに荒い。
男勝りで竹を割ったような性格と言った方がマッチしている。
何せバイト先のキッチンで紅一点で男性陣と張り合い、周りに罵倒を浴びせるくらい勢いのある子だ。
あのストイックなタカヒロにまで容赦なく歯向かっていくからスゴイ。
見た目も飾りっ気がなく私服もスポーティで色気とは程遠い感じなのだけれど、天真爛漫で社交的でムードメーカーな性格がウケているせいかアサコに魅かれて言い寄ってくる仲間も何人かいたらしい。


私は正直言ってアサコみたいな強めなタイプは苦手だ。
何を仕出かすか想像も付かないからこの手のタイプには近づかないように生きてきたくらいだ。
けれどもタカヒロの好みを知るためにも『逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ…。』と碇シンジになり騒然と立ちはだかる使徒にあえて接近戦を試みることにした。
…もとい、アサコに接触を試みることにしたwww


うわーーん★
ゼルエルの目から変な光線が発射されそうで怖いんですけどぉぉ!www
マジで逃げたいよーぉぉぉ!!
(´Д`;)
しかしリアルな神様は待ってはくれずアサコとの接触の機会を早々に提供してくれちゃいました★
現実世界とは時に残酷だと思う…。




それはいつものように私がバイトから帰ろうとしていたらバイト仲間の男の子が









Y君『今からカラオケ行こう?(^O^)♪』




とアサコを誘っている場面に遭遇した。
どうやらアサコは半分乗り気ではないようで少し困っている風だったけれどそこに帰ろうとしている私の姿を目撃したY君が『ミノも一緒に行こうよww』とテンション高めに誘ってきた。
Y君はアサコに気があるという噂を聞いていたから私をエサにアサコを釣ろうとしたんだろうけど『アサコが私なんかと行動を共にしたがらないだろうよwww』と高をくくっていたら









アサコ『じゃー3人で行くかぁ…。』




と半ば諦めに近いような感じで返事をしていた。
つーかそこには私の意志が全く反映されていませんけどww
二人して勝手に決めるな!
ゴラー!!(`Д´;)
とは言えないチキンな私はなすがままカラオケボックスに拉致られていきました。チ〜ン♪
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