古の誓い〜An oath of antiquity 〜 シリーズ

□【CieLo Azul】ver
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【turn2:デュエル大会】








海馬の大々的告知から数日、海馬ゲームセンターには沢山の人が押しかけていた。
勿論デュエル大会に参加する者たちで皆が優勝の賞金目当てに参加したのだろう。
それを建物の上にある関係者室から見下ろすのは若いながらに海馬コーポレーションを玩具メーカーとしてトップまで押し上げた実力者海馬瀬人。

その青碧の瞳には決意の炎が燃え上がっていた。

「沢山人が来たね兄様!」

隣から話しかけるのは彼の唯一の肉親である弟の海馬モクバ。
弟を一瞥すると海馬はゆっくりと口を開いた。

「これは傾いたKCを回復させる為の大会だ。無論マスコミにも大々的に伝えてある。まぁ、結果は見えているがな。」

ふん、と鼻を鳴らすと扉をノックする音が聞こえ一声かける。
すると彼らの側近である磯野が一礼をし紙の束を海馬に差し出す。

「社長、こちらが本日の参加者リストとなります。」

「そうか。」

紙の束を受け取りパラパラと捲っていれば最後の紙に見覚えのある名を見つけ小さく笑む。

「兄様?」

さっきまでの無表情から一転、楽しそうに口角を少し上げる(他人は見分けがつかないであろう程度)兄を不思議に思いモクバは首をかしげる。

「遊戯達が参加するようだ。」

「え、遊戯達が?!」

「しかもアイツと当たるのは決勝まで勝ち残れば、だな。」

アイツ、という言葉に思い出すのはフードを被った人物。

「ねぇ兄様……もし遊戯と決勝で当たったらどっちが勝つのかな。」

ふと疑問に思いそう尋ねれば兄は笑い自分に視線を向ける。

「少なくともアイツが負けるところを俺は見たことが無い。」

「そうだよね!」

兄の言葉にモクバはぱぁっと顔を明るくした。
その時再びノックの音が聞こえ海馬とモクバが同時に振り向けばそこには黒いフードを被った人物が立っていた。

「来たか。」

「まぁな……」

駆け寄ってくるモクバを抱きしめながらフードの人物は海馬の方に視線を向ける。
といっても目元まで覆われているフードの為おそらく、だ。

「ふん、今日の参加者に武藤遊戯がいるぞ。」

その言葉にピクリと反応を示す人物を見て海馬は口元に深い笑みを浮かべる。

「どうだ、勝てるか?」

「……さぁ。」

そう告げモクバの頭を撫でればモクバは嬉しそうに目を細めた。




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