古の誓い〜An oath of antiquity 〜 シリーズ
□【CieLo Azul】ver
3ページ/15ページ
「みんなおはよう!」
決闘王国から数日、優勝者である武藤遊戯は元の平凡な生活に戻っていた。
いや平凡というのは多少語弊があり平凡であり非凡である生活というべきであろう。
いつも通り遊戯の家である亀のゲーム屋の前に真崎杏子、城之内克也、本田ヒロトが集まりみんなで学校へと向かいながら歩いた。
話題は勿論決闘王国でのことでもちきりだ。
「いやー、にしても決闘王国では本当に色々あったな!」
「そうだなペガサスに海馬達にそれに色々なデュエリストにも会ったしな。」
城之内の言葉に本田がうんうんと首を縦に振り同意する。
杏子と遊戯も思い出しているのか互いに苦笑を浮かべていた。
「それにしても海馬君達これからどうするんだろうね。」
「そうね、ペガサスやビッグ5のせいで売却されそうになったらしいし。」
「けっ、あんな奴の事心配してやる筋合いなんざねーよ!」
「でも、今回の件は少なくともボク達も関わっているわけだしさ。」
俯く遊戯を周りは心配げに見遣る。
すると遊戯の隣にうっすらと同じ容姿をした青年が浮かび上がる。
『相棒』
『もうひとりのボク…』
『海馬の事が心配か?』
『う、うん。 モクバ君の話を聞いたらやっぱり悪い人とは思えないよ。』
もうひとりの遊戯……闇遊戯は遊戯の言葉に頷く。何だかんだ彼も考えていることは同じようだった。
『けれど海馬はこの程度でへこたれる男ではないだろう?』
『そうだけど…』
『大丈夫だ、それにあいつは心のパズルを自分で組み立て上げた。もうあんなことはないだろう。』
『……そうだね。』
「遊戯?」
心配そうな声音で呼ばれはっと意識を戻せば城之内たちが不思議そうに遊戯を見つめていた。
「どうかしたのか?」
「あ、ごめんごめんちょっと色々考えててさ!」
「それならいいけど…」
いまだに心配そうな表情の三人に遊戯は笑いかける。
そんな時街にあるテレビより大きな音楽が流れ始めた。
「え、なにかしら?」
音に驚いたのか通行人たちは大画面のテレビへ視線を向ける。
するとCMが流れ終えたのか画面が変わり今まで遊戯達の話題に上っていた張本人が姿を現す。
「海馬君!」
---『ふぅん、聞け皆の衆! 今週の日曜日正午に海馬ゲームセンターにてデュエル大会を行う!
参加者は当日エントリー制でトーナメント方式で戦い最後まで勝ち残った者を勝者とする。
ただしこのトーナメントには俺の選んだ最強のデュエリストが参加をするため一筋縄では優勝はできんだろう。
賞金は100万、又海馬コーポレーションが販売している玩具の中から好きなものを副賞としてつけてやる。
力に自信があるものは参加するがいい! わはははははっ!!』
それだけを告げると画面は元の広告へと変わってしまう。
「デュエル大会?」
「海馬の選んだ最強のデュエリストって……」
ちらり、と視線は遊戯に集まるが遊戯は首を縦に振らず左右に振った。
「ボクそんな話聞いてないよ。」
「でも、遊戯より強いデュエリストなんているのかしら?」
杏子の言葉に全員考え始める。
少なくとも決闘王国で優勝し、初代決闘王の称号を得た遊戯より強いデュエリストなんて思いつかなかった。
「でどうするの遊戯、城之内」
「俺は参加するぜ! 海馬が選んだヤツはどんなんかしらねーが賞金100万なんて魅力的じゃねぇか!」
「うーん、そうだねボクも参加してみようかな……きっと海馬コーポレーション回復のための大会だと思うし。」
「よっしゃ! なら今日から特訓だな遊戯!」
「うん!」
それと同時間海馬コーポレーションの最上階にある社長室では別の会話が交わされていた。
「これは我が社の回復のための大切なイベントだ。これ次第であの計画に関しても社会の評価が変わるだろう」
「分かってる。」
「ふっ…まぁお前が負けるなんて考えてもいないけれどな。」
「そうか。」
「任せたぞ…」
「あぁ」
.
→
次へ
←
前へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ