昴の第一本棚(長編)

□ご主人様と私 後編
1ページ/25ページ

5章1



ご主人様がお仕事に都合を付けられて

長期休暇をお取りになられた





ご主人様と私の分

数日宿泊出来る用意をするように


昨夜急に仰られた








ドライバーを使わずに

ご主人様が運転して

初めてのドライブ



どちらに連れて行って頂けるのかしら?




助手席に座り

ご主人様のお顔ばかり拝見して


なんだか少し落ち着かない





それなのに

ご主人様は

何か考え事をしていらっしゃるのか


今日はいつもよりも無口で



そんなご主人様に対して

私も話しかけられないでいた








随分と時間が経って

沈黙に耐えられなかったのは私



「ご主人様

どちらに行かれるのですか?」


でも


『あっ…うん…』



それ以上のお話しが進まない











そんな重たい空気の中なのに


ご主人様と二人っきりだから



私の躯は

ご主人様に反応している





今は

運転をされているのだから



それは無理



もう少しだけ

我慢をしてみよう











ダメ

やっぱり我慢出来ない



思い切って

ご主人様に伺うことにした
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ