NOVEL

筋斗雲の恋
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少女『 雲がとんできたっ!! 』


(―仕事だからね。とはいえ、私に乗れない爺さん、いったい何の用?)



亀仙人『 これを おまえにやろう!』


(あなたは私に乗れないものね。)


少年『 どうやって食うんだ?』


亀仙人『 ありがたい雲を食うなっ!!! 』


(矧うく食べられるところだったワケ?!私ι)


亀仙人『 筋斗雲に乗れば意のままに 空を飛ぶ事ができるんじゃ。』


(“清い心”を持ってたらね。)


少年『 オラ乗ってみる!』



―やけに澄んだ瞳をしているな…そう思った。

少年は、ジャンプしたかと思うと‘とんっ’と音をたて、私に乗った。


(の…乗れた……!)



少年『 わーい のれた のれたー!! 』



更に驚いたことに、彼は一瞬でコツをつかみ、意のままに空を楽しんだ。

彼の澄みきった心が伝わってくる。


こんな人間が、まだこの世にいたんだ―!



なんだか、とても嬉しくなった。
こんな気持ちのいい時間を過ごすのは久しぶりだ。




少年『 そうだ!おめえ 筋斗雲って名前だったっけ。オラは悟空、孫 悟空だ! よろしくな!筋斗雲!! 』


( こちらこそ!よろしく 悟空!! )




―主人に私の意思は伝わらない。

だからこそ、私は精一杯、ご主人様につくす。


―それが、私の仕事―
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