NOVEL

月・影・輪 ―げっけいかん―
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悟空『 …サンキュ。』



おらの真意が伝わったのかはわからない。

けれど、そう言っておらの手を握った悟空さの手は、凄く温かかった。



悟空さは静かに窓を開け、少しの間二人で肩を並べて夜空を眺めた。


けれど、おらはどうしても満月を直視する事が出来なくて

隣で満月を眺める夫の横顔を見つめていた。

いや、見とれていただ。




悟空『 昔はさ、ちょっとだけ気にしてたんだ。大好きだったじいちゃんを死なせちまったこと。』



チチ『 悟空さ… 』




悟空さは悪くねぇだ。

悪いのは…
勝手に形を変えてまんまるになっちまうお月様だべ。
悟空さは何も悪くなんかねぇだよ。



本心なのに

全く説得力がない言葉。


おら…
満月なんて、大嫌いだ。
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