* 金木犀 *

□序章
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2ヶ月前、兄が行方不明になった。


原因は分からず、兄の学校の友達に聞いても行方は誰ひとりとして知らず、警察に届けを出し、ついこの間手掛かりひとつないまま捜査が一度中断された。













それから数日後のある日。















目が覚めるとそこは、見慣れない学校の校門の前だった。




















「……あれ?私……。」


どうしてこんな所にいるのだろうと、瀬河聖夜は辺りを見回した。


確か今日はバレー部は休みだから当然マネージャーの仕事もなく、帰って家の花屋を手伝ってたハズ……。


なのにどうして知らない学校へといるのだろう。


学校から帰り、手伝いをするまでに何があったっけと一生懸命思い返す。


いつも通り学校から家に着くまでは何もなく、家に着いて店に出てからは何人かお客さんが来て、お母さんと一緒に接客をしていた。


結婚記念日に奥さんに贈る花を買いにきた男性。


プロポーズに薔薇の花を買いにきた男性。


おばあちゃんの誕生日プレゼントにお花を買いにきた親子。


そして……


_____の花をお願いしていた_____ですけど。


女性の声が聖夜の頭の中に不気味に響いた途端、急激な頭痛に襲われ、立っているのも辛い程に頭を抱えたままその場に膝から崩れ落ち、意識を手離した。





























クロユリの花をお願いしていた_____ですけど。















あの人は誰なのだろうか。




*NEXT*20141009
*修正*20150313

花言葉:呪い

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