LIBRARY:06

◆BURDEN
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天野銀次というヤツはタチが悪い。
本当に本ッ当に悪質である。
その天然さと素直過ぎるところが、それをより酷いものにしている。
被害者は、主にいつも自分なのだけれど。
いいや、むしろ蛮以外に振り撒かされては困る。

──…銀次と『こういう関係』となって、数か月ほど経つのだろうか。
蛮としては長らく、様々な我慢と葛藤と理性との戦いがあった訳だが…、まぁそのあたりは割愛しておく。
思い返すだけで虚しくなってくる場面が多いので。
よくぞ耐えた、自分。ある意味讃えてやりたい。

…とにかくやっと、銀次を自分だけのものにすることが出来た。

今夜も、どちらからともなく甘く触れ合って、激しく組み敷いて。
銀次の初々しさは相変わらず。
そのくせ、一度スイッチが入ると…。

「あっ、あ…!!ひぁ、あー…!」
自ら腰を揺らせていることに気付いているのだろうか。
深く深く繋がって、隙間無く雄根を食んで。
突くたびに全身を跳ねさせては、心地よく甘ったるい声を聞かせてくれる。
表情もすっかり蕩け、快感に泣き悶える様も相当にそそる。
「蛮、ちゃ…蛮ちゃんっ…オレまた、イっちゃ…っ…」
「イっちまえばいいだろ、いくらでも…」
「そこっ、あっ、だめ…ぇ…」
こちらもそろそろ限界が近い。
銀次のナカは本当に具合が良くて…。
日に日に蛮仕様になっていくのもたまらない。
夢中になると、気遣う事を忘れて壊してしまいそうになる。
銀次には幸か不幸か、身体の相性も良好過ぎた。

いつも寸前で抜いてやっていたのだが、…今夜は銀次の様子が少し異なっていた。
より大胆に身を寄せ、腕を絡め。切羽詰まった声が届く。
「…今日、は…このまま、で…っ…」
「おい、銀…」
「あっ、あ…お願い、抜かないでいい…っ、から…」
…とんでもない誘惑発言が刺さるのだ。
一瞬、空耳か、妄想故の聞き間違いかとすら思ったほどだ。
しかし、銀次の身体は、蛮を離すまいと縋ってくる。
その言動に戸惑っている内に、完全にタイミングを失っていた。
「…っく」
「あぁ…っ、あ…!!」
迫る快感に抗えず、彼が請うままに。深々と犯し貫いた状態で。
その奥へ、大量の白濁を注ぎ込んでいた。
まるで絞り取られるかのような、凶悪な締め付け。
熱い肉路が卑猥に絡み、流し込まれるモノに悦んで。

銀次もほぼ同時に極まったようで、一際甘い声で喘いで果てる。
ヒクヒク腰を震わせながら、余韻に溺れる様がイヤらしくて…。
「…あ、凄い…なかっ…」
とろん、と目を潤ませて、こちらを見上げてくる。
互いが僅かに身を捩るだけで、結合部からぐちゅりと濡れた音が届く。
こちらが身を引こうとすれば、「もうちょっとだけ」と制するのだ。
「お前な…煽るのも大概にしろよ…」
「ご、ごめ…ん…蛮ちゃ…」
謝られることなどない。蛮としては、気持ち良いだけで。

一応、どうして抜かせなかったのかと問うのだが。
その返答も、ぼんやりと蕩けたように。…しかし、これまた強烈な破壊力であった。
「…いつも蛮ちゃん、イっちゃうときに離れちゃうでしょ…?なんか、ちょっと寂しく…て」
「は…?」
「ナカに…出されてもいいから、もう少しくっついてたいなー…って思ってた…」
そんなことを口にしながら、擦り寄られる身になってみろ。
今夜はこれで終わらせてやるつもりだったのに、それも出来なくなってしまうではないか。

銀次の身体を気遣ってやればコレだから。
本当に勘弁してくれ。此方の好き放題にやらせたいのか。
冷静になりたいところなのだが、続く台詞でそれを諦めた。
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