LIBRARY:06

◆VERIFY
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…オレは、かなりイヤらしい奴なのかもしれない。
最初からそうだったのかもしれないし。
そういう風に作り変えられてしまったのかもしれない。
…彼に。

──銀次は、重い目蓋をゆっくりと押し開く。
既に二度寝状態だったこともあり、さすがにそろそろ起きないとだめだ…と思って。
昨晩、蛮がずっと離してくれなかったせいだ。
「んっ…」
上半身だけをなんとか起こしてみるが、強烈な怠さ。
しばらくそんな調子で、ぼんやりとしていたけれど。…ほんの少し、身を捩った途端。
「うあ…っ…」
下肢の凄まじい違和感。腰から下が軋んでいるかのようだ。
しかも、昨晩何度も最奥へ注がれ、処理しきれていなかったモノがとろりと溢れ出すではないか。
慌てて反応したところでどうしようもない。卑猥な行為のアレコレを、生々しく思い出してしまうばかり。

…まだ、挿入されたときの感覚も残っている。
夜明け近くまで散々暴かれて、銀次が限界を訴えたところで離してもらえなかった。
激しく抱かれ、その奥へ大量に絶頂の証を注ぎ込まれて。
「最近…とくに激しい気がする…」
蛮とそういう関係となって、どのくらい経つのだろう。長いような、短いような。
ハッキリと分かるのは、日に日に濃密でイヤらしいものになっていく…ということ。
まだまだ『慣れました』とは言えない銀次だが、自分の体が次第に蛮仕様になっていることは自覚しているし。
そんな風に染められてしまうことに、正直あまり抵抗が無いのである。

今朝は、それこそ長時間抱かれ続けて。いつの間にやら寝入ってしまったようだけれど。
朝早くに、奪還の仕事絡みで連絡が入ったのである。急ぎの案件がある、と。
蛮と一緒にいちどは目を覚ました銀次だったが、とても外へ出ていける状態では無く…。
「いいからお前は寝とけ」
「で、でも…」
「ちょっと話聞いてくるだけだっての、すぐ戻る」
そう言って、銀次を休ませてくれたのである。
申し訳ないけれど、ここはお言葉に甘えるとして。ベッド上から彼を見送るのみ。
…その後、結局また睡魔に襲われてしまったようだ。

「いま、何時…」
時間を確認してみると、もう正午近く。
しかし、蛮はまだ帰宅していないらしい。
理由を理解しているとはいえ、目覚めたときに蛮の姿が無いというのは少し寂しい。
「…蛮ちゃん」
思わず、彼の名前を呼んでしまうくらいに。

こうしてひとりで居ると、どうしても昨晩の事を思い返して困る。
…昨日の夜は、とくに凄かった…。
下肢の痕跡だけなく、肌上にもあちこち所有の朱刻が散っている。
征服されたのだ。…嬉々として。

──ここ数日、有難いことに仕事が忙しく。
かなりドタバタしていたせいで、『ご無沙汰』だったのも確かである。
この反動もあるのだろう。ようやく落ち着いた頃に、互いの熱を求めてしまったのは。
「…っひ、ん…!!あっ、あ…!!」
「まだ挿れてもねーってのに、1人でイくなっての」
「ご、ごめ…なさ…」
いつも彼を受け入れている箇所へ、潤滑剤代わりのものと一緒に潜り込む、長い指。
慣らすためにしてくれているのに、その指がナカを刺激するたびに、…気持ち良くなってしまって。
蛮が指を動かすたびに、カラダの内側から撫で上げられる感覚と、ちゅぷんと濡れた音。

…なんて浅ましいんだろう。
カラダが、彼のモノを咥え込みたくてたまらないとばかりに疼くのだ。
はやく、はやく。
無理矢理でもいい、突き入れて、捩じ込んで。いちばん奥まで。
彼の熱でいっぱいに満たされてしまいたい…。
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