LIBRARY:01

◆ABSOLUTE
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昨日も。その前の夜も。
あんなにメチャクチャにして、ひどく泣かせたのに。
満たされては飢え、また満たして欲しくて。
本当に、申し訳なくも思っているのに。

…お前が、簡単に許してしまうから。オレのことを、簡単に受け入れてしまうから。
また、甘えてしまうのだ。

愛しい。苦しい。
恋しい。寂しい。
抱きたい。逃がさない。
傍に居たい。縛り付けたい。
浮かぶ甘ったるい感情の裏に、常に付きまとう貪欲な本音。どれも同義。

オレ無しでいられなくなるような身体にしてやりたいと願うのは、自分がとっくにそうなっているからかもしれない。
お前でなければ駄目なのだと、思い知っているから。

「ん、ぁ…蛮ちゃんっ、蛮、ちゃ…」
「もっと…、欲しがれ、銀次」
「…っく!!」
ふるりと腰を震わせて、飲み込ませた熱杭に絡む肉襞。
その甘美さに逆らわず、深々と刺し貫いたまま注ぎ込む。いっそのこと、この身体の奥まで灼き付いてしまえばいいのに。
「あ…ふぁ…!」
中に出された途端に、銀次も達してしまったらしい。
すっかり後ろだけでイけるようになったのか、ビクビクと自身を跳ねさせながら、自分の顔の近くにまで飛ばしている。
さっき一度、イくタイミングを外してやったのが効いたのだろうか。
余程辛かったようで、『意地悪しないで』『焦らすのはイヤだ』と泣き縋ってきたのは実に愛らしかった。
だからご褒美に、達しているその最中もズルズル内部を擦り上げてやる。
「ヒ、っ…!!うぁあ、あっ、や…だぁ!いまはっ、あ──…!」
あぁもう、たまらない。
敏感になった粘膜を、徹底して犯し尽くすのだ。
蕩けて更に熱い肉筒が、やめてと泣きながら此方を締め付ける。
逃げようとしても駄目だ。細腰を掴み直して、激しく打ち下ろす。零すことなく流し込んでやりたいほど。

…背に、僅かな痛みを感じた。銀次が爪を立てたようだ。しかし、微塵も不快に思わない。
以前にも何度か受けたことがある。朝、それに気付くたびに、「ごめんなさい」と真っ赤な顔で謝罪を繰り返すところすら愛しい。
また、あんなふうに謝ってくれるのだろうか?

──消えなければいいのに。
治らなければいい。いつまでもいつまでも、この肌に残ればいいのに。

「ひっ…!!」
「寝るなよ、…始めたばっかりだろ」
シーツの波にぐったりと沈んだまま、意識を飛ばそうとしていたものだから。
つい、また突き上げてしまった。既に硬さを取り戻しつつある性器は、まだ食い足りないとばかりに。
「ふぁ、あ…うそ、さっき、いっぱい出した…ぁ」
「奥にかけられてイく顔、もっかい見てぇから」
「ばん、ちゃん…っ」
きゅん、と忠実に反応する銀次の内部。

そんなにしたら壊れてしまいそうだ、と。お約束な台詞が零れた。
逆に聞きたい。どうすれば壊れる。どこまですれば壊れてくれる?
オレだけのものにするには、このカラダへいくら刻み付ければいいのか。
そんな馬鹿なことを考えてしまうのは、最早狂気の沙汰なのか。

結局もう一戦付き合わせて、銀次の意識は完全に途切れていた。
さすがにそれ以上強いるのは危ない…というラインだけは、ギリギリの理性で押し留めている。薄っぺらくて頼りないものだけれど。
自然に起きだすのを待って。その間も、真っ赤に腫れた目元や、全身の各所に残る紅い痕と眺めては、反省と興奮。
懲りないな、自分も。
離れ難くて、つい傍に居座り続けてしまう。時間を忘れるほど。

「んぁ…」
寝惚けたような声を聞かせ、彼はすぐに身を起こそうとするのだが。腰の辺りを庇いながら、再度くたりと崩れていた。
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