LIBRARY:06

◆BURDEN
2ページ/2ページ

「…オレとするの、あんまり好きじゃないのかな、とか…」
「テメェ、今のは聞き捨てなんねぇぞ」
抱きたくない、なんてことがあるものか。
出来ることなら毎日だって手を出したい域。いつだって触れたい。
時と場所を弁えず、襲い喰らってやりたい衝動に駆られたことが、一体何度あったと思っているのだ。
これまで散々我慢してきたのだ、現状の程度に関係が前進しただけで満足しておけと自分に言い聞かせてきたものだ。
抱き潰さないように。抱き殺さないように。
割と必死にセーブしてきたものだけれど。
成程、まったく伝わっていなかった訳だ。

加えて、未だ繋がったままだということを忘れていないか。
「すぐに前言撤回させてやる、覚悟しとけ」
「ば、蛮ちゃん…?あっ…!!」
銀次の腰部を抱え直し、緩く突き立てた。
既に硬さを取り戻しつつあるモノが、銀次のナカを再び掻き回す。
「お望み通り、今夜はしっかりばっちりくっついたままで、好きなだけ泣かせてやる」
「ひぁ、あ…っ!」
「…何回目までもつか楽しみだな?」

諸々吹っ切れた。あぁ切れたとも。
久しぶりに、頭の中でぷつんと音がしたような気がする。
明日立てなくなったと泣き付かれても、もう遅い。
離れないでと言うのなら、離してやるものか。
すぐに「もう許して」に変わることだろう。

「蛮ちゃん怒ってる!?オレがヘンなこと言ったから!?」
「…ほぉ、ヘンなことを口走ってる自覚はあるんだな」
「えーっと…と、とにかくちょっと待っ…」
これはもうオシオキ案件だろう。
思い知らせてやるしかない。蛮の愛情は、銀次が想像している以上に重たいであろうことも。
言葉で。身体で。たっぷり教え込んでやる。
引かないまま、再度彼の腰を抱え直し、腰奥まで貫く。
達した直後の銀次のカラダは、余計な力も抜けて、どこに触れても敏感に跳ね上がり。
密着度の高い体位を選んで抱き続けてやれば、これまで見たことが無いくらいに淫らに喘ぐ様。

案の定。もう無理です、許して、と。早々に白旗。
しかし、それらに交えて。
「気持ちいい…」と。
掠れた声で、うっとりと見詰めてくるものだから。
…こちらにしてみれば逆効果もいいところ。
狙ってやっているのかと。

──何度でも言おう。
天野銀次というヤツはタチが悪い。
本当に本ッ当に悪質なのである。

それに気付いていてもなお引っ掛かる自分も、相当に重症なのだ。


-end-
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ