私の恋路
□死んでも腐っても美形です!-東堂-
2ページ/4ページ
理由があるのかと聞かれれば無いのだが。
NOと言えない日本人の私はただただ戸惑う。
でも。今回に限ってYesとは言いたくない!
「わた・・・私・・・っ。あ・・・」
「?」
わたわたと何か言い訳を考えようとする私にずいっと顔を近づけ、首を傾げる東堂さん。
さすが自他共に認める美形。
きょとんと丸まった目も、少しだけ尖らせるように突き出した唇も、全てがかわいさというか・・・。
引き立てている。
頼むからその顔で私を見ないでくれ。
そしてあわよくば今すぐ私から離れてくれるとありがたい。
正直、東堂さんのような肌も綺麗。
顔も整っている方と一緒に居ると、私の肌の汚さや顔の醜さが目立って仕方が無いのだ。
東堂さんから逃げるように立ち上がると、少し駆け足で友人である河合真優の後ろに隠れた。
「私・・・。彼女と食べるので・・・っ」
そう言って自分よりも少しだけ小さい真優ちゃんの後ろに全身を隠すように縮こまった。
「そ・・・そうか。それは残念だ。ではまた来るぞ!」
捨て台詞のようにそう言うと、教室を出て行った。