僕の選んだ人は・・・
□ガラスは踏んだら痛いのです!
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「せんぱーい!」
「山岳!重い!」
珍しく朝練前に来たかと思えば後ろからずっとくっついてくる山岳。
怒っても"へへっ"と笑うだけで、離れようとしない。
それを放って山岳をつれたままマネージャーの仕事をしていく。
「雫先輩疲れない?」
「お前のせいでものすごく疲れたけどな」
不思議そうに首を傾げる山岳。
僕が罵倒しても尚引っ付いたままだ。
暑くて仕方が無い。
「おい!真波!貴様は来たと思えば何故雫にくっついておるのだ!練習をせんか!」
東堂先輩が慌てたように叫びながらこっちに来る。
以前私の首に巻き付かれた山岳の腕を軽くたたいた。
「ほら。後でかまってあげるから。今は練習しといで」
僕が東堂先輩を指さしてそう言うと、渋々と言ったように私から腕を放し東堂先輩に駆け寄っていった。
そんな山岳に東堂先輩は大変ご立腹な用だ。
こっちにまで怒鳴り声が聞こえてくる。
「おめさんも大変だな」
新開くんがそう言って私に近寄ってきた。
「そうだね〜。そういえば鉄仮面エース様は?」
「あぁ。寿一は少し走ってから来るそうだ。俺たちは先にメニューを始めているようにだとさ」
「そー。じゃあみんなを集めなくちゃ」
「おう」
短い会話をして、今日のメニューが書かれたファイルを持って、人の集まっているところまで新開くんと二人で歩いて行った。
「え〜っと・・・」
とりあえず見た感じ全員集まったようなので、話を進めていく。
「今日は福富主将が遅れてくると言うことで、先に練習を始めます。基本的にレギュラーメンバーは個人練習を。メンバーによっては、ペアを組んでやってください。他の人はチームごとに別れて、今から配布する紙に書かれたコースを選択して走ってください。体調管理やインターバルは基本的に自分達で行ってください。詳細は紙を見て。以上解散!」