僕の選んだ人は・・・
□壊れたガラスは戻らないのです!
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「ふふっ・・・まなみんの手温かいね」
「そうかなぁ?あんま自分じゃ分からないや」
首を傾げるまなみん。
まるで小さな子どものように無邪気な彼を、どうして今まで見てこなかったのだろうか。
マネージャーを始めた理由が理由だけにやる気なんて物は微塵もなかった。
それでも人並みには部員を見てきたつもりだった。
けど・・・。どうしても彼だけは分からなかった。
でも、それは違った。
僕は今まで、"見てきたつもり"で止まっていて、分からない彼に土足で踏み込むことが怖かった。
逃げていただけだった。
「山岳・・・。好きにして良いよ」
僕が囁くようにそう言って微笑むと、まなみんは驚いたように目を見開いた後、子どものように顔を崩して笑った。
「大胆発言だね」
無邪気に笑う彼の首に腕を絡め、太ももを彼の腰にする寄るようにくっつけた。
その瞬間、彼の無邪気な顔は、妖艶な男性の顔になっていた。
「もう・・・嫌って言っても知らないからね」
彼は最後の忠告だとでも言うように囁くと、僕がうなずいたのを確認して、静かに押し倒した。