私の恋路

□調子が狂うのはいつものことで!-荒北-
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「荒北さん」

「なァに〜」

少し肌寒くなってきたこの頃。

面倒な授業も終わり放課になると、隣の席の佐々木が話しかけてきた。

携帯を開き、特に意味も無くメールボックスを開く。

「寝癖が酷いですよ」

そんなことが言われるとは思っていなかったオレは面食らって携帯を手元から落としてしまう。

カシャンと乾いた音がして携帯が床に落ちる。

顔が熱くなるのが分かる。

そう。

恥ずかしいことにオレはこの女に惚れている。

仮にも好きな女にそんなこと言われて羞恥を感じないわけがない。

携帯を見ると画面が暗くなっている。

佐々木はいつもの調子でオレの携帯をゆったりと拾い上げる。

「あ・・・。壊れちゃったかもです。ごめんなさい」

「べつに。そんくらい良い」

「そうですか」

「そうだョ」

なんだこの会話。

相変わらず眠たそうに目を伏せて、時折あくびをする。

思わずため息が出そうになる。

「携帯。どうぞ」

「どーもォ」
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