僕の選んだ人は・・・
□壊れたガラスは戻らないのです!
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「せんぱーい。落ちないでね」
まなみんがどんどん中へ進んでいく中、僕は必死でこけないようにしていた。
早いよ!
文句を言う暇というか余裕もなく、ただついて行った。
「雫先輩こっち来て」
まなみんにそう言われ、言われたとおりの所へ行く。
「ロードはそこに置いておけば安全だよ」
そう言われ、岩に立てかけるようにロードを置くと、まなみんの隣に腰を下ろした。
部活をするからとシャワーを浴びた後着替えたため、少し肌寒い。
「クシュッ」
さすがに家に居るときのような親父くさいくしゃみはできないので、必死にこらえた結果変な音が出てしまった。
膝を抱え込むように座り直すと、後ろからまなみんに抱きしめられた。
「ちょっ・・・!?離して!」
「ん〜・・・。先輩子どもみたいに体温高いね」
聞いちゃいねぇ。
前言撤回。やはりこいつは意味が分からない。
しかもなんだ子どもみたいって。
まなみんよりも年上なんですけど。
「ごめんね。制服の上着おいて来ちゃったから」
「別に。まなみんも寒いくせに」
「うん。だから暖めてよ」
まなみんの方をのぞき込むように振り向くと、音もなく視線が絡む。
どちらからともなく、唇を重ねる。
「んんっ・・・・!?ぁっ・・・・」
突然舌が割って入ってきたことに驚いて、口を開けてしまった。
口の中を犯すように、舌先で僕の口の中や唇をなぞっていく。
クチュッ・・・。
口の中で唾液と舌が絡みつく音がダイレクトに聞こえ、恥ずかしくなる。
キスだけで脳がおかしくなりそうだった。
「雫・・・」
普段は雫先輩って呼ぶくせに、こんな時だけ名前で呼ぶなんて・・・。
「ずるい・・・」
僕がすねたようにそう呟くと、いつもとは少し違う艶っぽい微笑みを浮かべると、服の中へ手が滑り込んでくる。