僕の選んだ人は・・・
□嫌な予感は的中なのです!
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放課後。目の前には同い年の男子生徒。
正直顔は知っていても名前は知らないような人だ。
「あの・・・。いつも東さんのことみてました。だから・・・その。つ・・・付き合ってください!」
顔を真っ赤にし、勢い余って言ってしまった感が半端ない告白を受ける。
相手の男子はうつむいたままずっと固まっている。
前髪で隠れているその顔が耳を見るだけで赤く染まっていることが容易に想像できる。
「ごめん。僕あなたのこと知らないんだ。だから付き合えない」
僕がはっきりそう告げると、彼は祈るように合わせていた手を力なく下げた。
「そ・・ですか」
「でも、これから知ることはできるから。今日が始めまして」
僕はそう言って手を差し出した。
「これからよろしく」
「は・・・はい!」
「今日から友達!」
彼は嬉しそうに僕の手を取った。
そんな彼に僕は笑って手に力を入れた。
「で・・・では」
一通り握手を済ませると、彼と別れて部活へ向かおうとする。
「ヨォ」
「やぁ。らっきー。今から部活?」
歩き出す荒北に着いていくように横に並んだ。