小説

□存在
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・御影界都
そう、
僕ら3人の会話を聞かれたのは赤也だけだったし、
彼は取り敢えず納得したようだった

先に教えた(バレた)あの2人は
しっかりしているし

大丈夫なんだと思い込んでいた



「赤也ー!」
「え、あ、はい!」
「次、赤也の試合ぜよ」
「ま、マジッスか?!」



分かり易いっ!
素直なんだよ、可愛い子なのは
さっきのでよぉ〜く、わかったよ

戻ってからずっとあんな感じ
つまり
部室内で何かあったのだろう
と、なると新入りが怪しい
という考えに至るのは当然のことで、

イコール僕への視線が痛い

元から女の子からのがあったけどさぁ

特に、仁王と丸井

恐らく
同じクラスで気を緩め始めていたときに
後輩に何しやがった、という敵意

分からなくはないし、
僕のせいであることには間違い無い

せめて、マネの仕事さえしていたらそれらしく見えるものの
今日は見学
座っているだけだから余計ダメージ

僕、本当に何をしでかした?!



・切原赤也
幸村部長は、先輩達は、俺の目標
絶対信じる
けど、
あの御影界都……先輩

幸村部長の彼女?
でも、言ったのは幸村部長だし、
「僕が聴きたいよ」ってのは本当っぽかったし…

異世界?
いせかい…?
いーせーかーいってなんだよ?!

「赤也!」
「!!ういッス!」
「10周追加ね」
「…ッス」

もーわっかんねーーー!!





・柳生比呂士
部活終了間近
今日は転校生で幸村くんの彼女である御影界都さんの見学に加えて
切原くんの様子が少しおかしい様です

やはり、彼女が関係していると思われるのですが…
真田くんも彼女を睨む様に見ているので間違いないでしょう

仁王くんに、丸井くんまで…
分からなくは有りませんが、女性に対してそのような態度はいただけませんね


幸村くんの号令がかかり
レギュラーメンバーの全員が集合
(彼に10周命じられた切原くんが最後に来て)
整列している私たちの前には
幸村くんと彼女…


「界都、異世界から来たんだって」


切原くんに10周を命じたときと同じ微笑み
内容が全くもって理解出来ませんが…

柳くんのノートに鉛筆を走らす音
御影さんの小さなため息
そして切原くんの驚き様




全くもって理解出来ませんね

ただあの幸村くんの視線…






・御影界都
絶対バラすのは確信していた
もう知らない
もう、僕1人ではどうにもならない
柳助けろ

赤也君は驚いていて
他はクエスチョンマークが目に見えるような顔だ
まぁ、当然だろう


「僕はどうすればいいんだよ…」


少し俯いてそう呟くと


「俺が信じているメンバーだ
絶対大丈夫」



幸村の小さい声の、大きな確信が答えた
横にいる彼の顔を見ると
真っ直ぐ彼等を見ていた







「御影、マネージャー
やってくれるか?」

真田がハッキリとした声でそれに答えた

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