監禁迷宮

□奴隷商の人形2
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「ひやっ」
「大丈夫?」
「のぼせたみたい・・・ふらふらする・・」

脱衣室に出ようとしてふらついたところを、バスタオルでくるむように、後ろから抱き締められる

鍛え上げられた筋肉、
逞しい腕で抱き締められると
それだけで安心感がある

うっとりと身をあずけていた
レナの耳元で
アズライトは真剣な様子で囁いた

「ねぇ、 レナ、オレの嫁になってよ。
そしたら檻から出したげる。部下にも何も言わせないから」
「・・・・」
「それとも、レオだけがそんなに大事?」

抱き締める腕の力が強くなる

レナは、 答えられなかった
アズライトのことを知らなすぎて・・・

自分の気持ちがわからなくて

「レオのためだけに、オレに抱かれてるの?」
「それは・・・ちがっ」

「それでもいいよ、嘘でいいから
”愛してる”って、言ってよ」
「・・・・」
「そしたら信じてあげる、
”お気に入りの人形”じゃなくて
”愛される奥さん”になれるよ、簡単でしょ」
「・・・・」

何で、言えないのだろう
重い沈黙・・・

「・・・」
「・・・それでも言いたくないか」

アズライトの声のトーンが冷ややかになる
寒気のようなものを感じた
直後、突き放すように背中を押され
前のめりに倒れた

「・・・」
「人形で居たいならそれでいいよ、 レナは一生オレの可愛い人形」
「・・・・・」

愛を受け入れないのに
抱かれている自分は一体なんなのだろう

かつての自分は誰かを
”愛している”
と言えたのだろうか

「 レナ、 付いておいで。レオに会わせてあげる」
「・・・」
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