監禁迷宮

□塔の主
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「・・・・」

「戻ってきた・・・」

元の塔だ

だが、まだ頭がぼーっとしている。
レナは自分の頬を両手で軽く叩いた

さっきまで見ていた自分が、
あまりにも淫らで
自分と重ねられない・・・



「お兄ちゃん?」

周りを見渡しても
レオが居ない事に気付いた

塔に戻れば居る
そう思っていたのに

立ち上がり辺りを見渡すが

一面円形の広間
どこにもレオの姿はない

「お兄ちゃん」


「誰を探しておる」
「ひっ」

後ろからの声に、 レナは身体を強張らせた

真後ろに居るのだ
耳元で低く囁かれる

「だっ・・・誰っ」

振り返り、後退る

深く被られたフードのせいで、顔は見えないが
大きく笑った口が不気味で、恐怖を感じさせる

レナは広間の中央に居た

さっきまで、誰もいなかったはずなのに、突然背後に現れたのだ

この塔で何が起こっても不思議ではないのかもしれないが、
レナは身構え、男を睨んだ

「誰なのっ」

「我は塔の主」

「・・・」

「会話の最中に逃げるでない、不愉快だ」

パチンッと男が指を鳴らすと
石畳から磔台が現れ、
レナを拘束した

「ひっ、いやっ」

両手を上げた状態でぐるぐると拘束され、
足も開かされ、太股 を締められる

材質は石のように冷たく硬いのに、意思を持つようにくねくねとうねり、
レナを拘束し終えると、元からその形であったように動かなくなった

「あ、あなたが、私の記憶を奪ってここに連れてきたの?、なんでっ」

「これは、奇妙な。いつ、我が仕業だと言った?、決め付けた上に、問い詰めるか」

「違う・・・の?」

「我は、男を魅了し惑わす淫猥なそちを見に来ただけのこと」
「私・・・知らな、惑わしてなんて」

「であろう、そちは全て忘れた」
「ひっ」

男は歩いていなかった

だが、次の瞬間、 レナの目前に立ち、頬を撫でていた

「・・っ・・ぁっ」

唇をなぞり、口を開かせると
口内を親指で侵す

「っあ、やめっ・・・っ、んんーっ」

舌を出させると、長い舌を絡めさせ、吸い付いてきた

「んんーっ・・・っ・・ぁっ・」

ピチャピチュ・・・

唾液が絡まる

長い舌で、喉の奥まで舐められ侵されていく

レナは、あまりの 息苦しさに身を捩り、涙を流した
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