監禁迷宮

□分けられない身体
1ページ/10ページ

「・・・ひっ」

「 レナっ 」

「いや、いや、嫌あぁぁぁぁっ」

「 レナっ 」

・・・

・・・

「お兄ちゃん・・・」

元の塔・・・

レオが、 レナを抱き締めていた

「大丈夫か、酷い幻覚でも見たのか」
「ルイエン王・・・」
「・・・ルイエン」

あれは、本当にただの幻覚だったのだろうか

「お兄ちゃん・・・」

レナは、 レオの背中に手を回しぎゅっと抱きついた

あたたかい

「お兄ちゃん、怖い、もう何も見たくない」
「ごめん、ごめんな レナ 」

レナは震えていた
背中をさすり、
頭をなでてやる

「お兄ちゃん、わたしは、ちゃんとここにいる?、わたしは、誰?」
「 レナは レナだ、俺の妹だよ、ちゃんと、ここにいる」

「繰り返す因果の中、輪廻転生を繰り返しながらも俺はいつもレナの傍にいた 」

「・・・」

「大丈夫だ、業なんかじゃないんだ。 レナ、 レナは絶対にお兄ちゃんが助けるから」

「お兄ちゃんっ」

レオの話は難しく断片的で、
レナには全てを理解することはできなかった

だが、レオがそばにいると安心するのだ

お兄ちゃん

レオの存在を確認するように、
レナは何度も 兄の名を呼んだ
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ