監禁部屋
□咎人の贖い
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今朝、共犯者の男に
もう、やめよう
警察に行く
と言った
それから、夕刻
共犯者からの折り返しの電話
嫌な予感がした
「一翔か」
「やあやあ、お疲れ様ちゃん。修也がさー、血迷ったこと言うから俺 りんちゃんと遊んできちゃった 」
「何をしたんだ」
「何って、さやかもされた事だよ、決まってんじゃん」
「もう、・・・やめろ」
「ばぁか、やめねぇよ」
ゲラゲラと、品のない笑い声が電話越しに聞こえる
こんな、奴じゃなかったんだ
本当にさやかを大事にしてくれていた
全てが、狂わされた
「もう・・さやかは戻って来ない、わかっているはずだ、りんに罪はない、俺達が間違っていたんだよ、一翔」
「わっかんねぇーな、俺、何も要らなかったんだよ、さやかさえ居れば。
さやかを奪った奴らを許すわけねぇだろ」
「さやかは、こんなこと望まない」
「関係ねぇってんだろっ、俺がしたいようにしてるだけだ。目ぇ、さませよなぁ」
俺だって・・・
今でも社長は憎い
だが、 りん は
こんな俺の話を聞いてくれた
強姦魔の話を聞いて
泣いてくれたんだ
何も悪くないのに、
謝ってくれた
知らなかった事が罪だと
「お前の分も残してやってるから、可愛がってやれよ。メッチャクチャにしてやったから締まりの方は保証しねぇけどなっ」
「一翔・・・」
「今さら、抜けたはなしだぜ、修也」
低い声で忠告をし
電話は切られた
プッ ー
「 りん・・ 」