監禁部屋

□やさしい男(ヒト)
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「あの・・・」

シャワーから出ると

男はまだ起きていた
ダイニングの椅子に座り
菓子パンかなにかを食べている

「なんだ、まだ足りないのか?。もう絞っても出ないぞ」
「違いますっ」

顔を真っ赤にして反論した
なんだか、今日のこの人はよく喋る

「寝ないんですか?」
「何時だと思っているんだ?、もう朝だぞ」
「えっ」

「お陰様で寝不足」
「ここ、時計がないから。時間わからないんです」
「ああ、時計・・・か」

「買ってくるよ」

私のために?

なんてことを思ってしまった

そんなはずはないのに

「じゃ仕事に出るから、床キレイにしておけよ」
「はい・・・」

「後、夕飯の用意も」

・・・

「あ、はいっ」

妙な監禁生活が続き
きっと、私は少しずつおかしくなってきている

足枷の重みさえ感じない程に

「あの、いってらっしゃい」

「・・・」

無言だったが、
男は数秒、私を見てから出ていった

いってきます

幻聴が聞こえた




朝まで犯されていたのかな、私

意識も朦朧としていて
あんまり覚えてないけど

「熱い・・・」

床の掃除をしながら

まだどこか熱っぽさを感じている私がいた
「あの人の・・・精液」

何度も何度も求めたのは私
彼は答えてくれた・・・

何度もイって

「・・・嫌だ、どうしたの私」

動悸がする

違う

好きになんてならない

こんなのはおかしい

あの人は犯罪者だ

「・・・」

早く・・・

なんとかして、ここから出なきゃ

おかしくなっちゃう
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