監禁部屋
□感じる体
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「起きろ」
「・・・」
全身が痛い
筋肉痛のように軋む
起きたくない
「起きろ」
「・・・っ」
一度目よりも低い声
この声の主を思い出し、私は跳ね起きた
少しでも逃がれようと壁に背をつけ男を見る
「起きたか」
私は、この男に・・・
思い出したくもない
あのあと気絶して、そのまま寝ていたようだ
「出掛けてくる、留守の間は自由にしていていい」
ふと、手錠が外されていることに気づいた
覚えてはいないが、外そうと何度もぶつけたから傷になっていたのだろう
包帯で、手当てしてある
「家の中なら行けるようにしてある、シャワーもつかってかまわない、腹が減ったら冷蔵庫のものを食べるといい」
「・・・」
手錠の代わりに足枷がつけられていた
長い鎖で繋がれている
まるで、ペットみたいだ
「扉を叩いて叫んでも無駄だからな、外には誰もいない」
「・・・」
解放してくれるつもりはないらしい・・・
どうすればここから出られるのだろう
「あの、私の荷物は」
「不要だろう、今のお前には」
携帯さえあれば・・・
連絡さえ出来れば
「おとなしく待っていろ」
「まだ、何も終わってない」
ゾクッ
まだ、何かするつもりだ
嫌だ、もうあんなこと・・・
帰って来ないで
出ていく男の背を見て願った