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□腐った春
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じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん
じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん
じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん
じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん
じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん
じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん
じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん じりりん 
じり











りん、と、最後の音が聞こえる前に受話器を切った。



穏やかな夜だ。風は吹いていないが、温い空気が辺りを支配している。




そんな中、ウィリアムは目の前のデスクに置かれた黒電話を眺め、報告書類を見、
最後に目を閉じて記憶の中の少女を見つめ、そして





彼女はいなくなってしまったのだという事実を、静かに噛み締めた。









そもそもの始まりは、つい先ほどのことだった。

いつもの日常。いつもの日々。いつもの死神協会。


そんな『いつも』は、意外にもあっさりと崩れ落ちるものだと今日をもって改めて実感させられた。






「あー、俺悪魔だけれど。」






俺コーヒー派なんだけど。というような調子でウィリアムに報告してきたのは、
丁度彼が夕食の為に協会ビルの裏のベンチに向かおうとしている最中だった。


仕事が長引きそうなため、早めの夕食だった。


他の死神は普通に定められた業務時間で働いているので、食事をとりに屋外にいるのは生憎と、ウィリアムだけだったのである。







その時不覚にも、意味が分からず、自分が座ろうとしていたベンチに既に座っている緑の髪と金の眼をした『悪魔』を凝視した。




「――――――……っ!!」



咄嗟に常時持ち歩いている高枝切り鋏をとり、臨戦態勢に入る。



管理課は回収課のように実戦部隊ではないが、人員不足にもすぐにでも対応できるようそれなりの実力はあるのだ。

特にウィリアムに至っては。




悪魔が一匹くらい、何を血迷ったのか迷い込んでもすぐに始末し、食事をとることなどたやすい。だが、しかし。今回は、違った。



「…何か、御用でも? 悪魔…














……いえ、蠅の王、ベルゼブブ」





そう、のんびりと足を組みくつろぐ、大悪魔ベルゼブブを睨みつけた。
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