シンタロー総受け

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「...」

「...」

気まずい!!!
え、何この状況。俺のコミュ力どこいった。

ご飯の片付けをして(ほぼ俺がやった)
リビングに居た所でシンタローさんはテレビ見ない、PCいじりたいとか言うし、その辺に座って適当に漫画読んでろとか言うし...。

もう殆ど読破しちゃうし...?
シンタローさんに至ってはヘッドフォンを着けていて、完全に俺の存在断絶状態。

やっぱエネちゃんに残ってもらうんだったかなぁ...。

えぇい、男になれ瀬戸幸助!!
殿、見守るっす!

「し、シンタローさんッ!!俺とセッk「セト」ええぇ!?」

「...え?セ...何?」

「あ、あぁいや違...」

危ない、興奮のあまりモロに言う所だったっす。んな事言ったら口も聞いて貰えないかもしれない。

「風呂、どっち先に入る?」

「風呂!!っすか!!」

「何で驚くんだ」

だ、だって風呂っすよ?
しかも2人きりっすよ?
背中流しっことか洗いっことか風呂であんな事やこんな事...ああ、ムラムラする!!

「あ、後でい...いや、その、シンタローさんさえ良かったら、一緒に、でも...」

シンタローさんは殆ど聞いていないのかバスタオル片手にさっさと部屋を後にした。

「じゃあ俺先に入るわ。部屋の物弄るなよ」

「...はいっす」

一人取り残され、シンタローさんの部屋の真ん中に正座する。
殿が哀れみの目を向けている...。

「あーあ...やっぱりこんな事になってるんですね...」

消えていた筈のPCが光ったと思ったら、そこには俺のキューピッドもといエネちゃんが。

「エネちゃん!!生きてたんすか!!」

エネちゃんはくるくると髪の毛を弄りながら溜息を吐いた。

「勝手に殺さないで下さい。もう、大変だったんですからね妹さんの目を盗むの...まさか温泉内にまで私を連れて行くとは...」

俺は半泣きでがばっとPCに掴みかかる。
エネちゃんは怪訝な顔をし、画面の端へ引っ越んで顔だけ出している状態だ。

「エネちゃん...!もう俺、恋人としての自信が無くなって来たっす...ライフがゴリゴリ削られてるっす...」

「分かってはいましたが重症ですね。全く、結局私の助けが必要なんじゃないですか...」

「すんません...」

エネちゃんはいつもの青いジャージから、先生の様なスーツ姿に眼鏡を装備して黒板に見立てたデスクトップにチョークでシンタローさんと俺の絵を描いている。
このシンタローさん可愛いっすね。

「いいですか?ご主人はあんな性格ですから口で言っても通じないし、自らヤろうなんて死んでも言いません。ご主人相手に屁理屈で勝てるのは私ぐらいなものです。だからここは無理矢理いきましょう」

シンタローさんと俺の絵を勢い良くハートで囲んだ。そんな、照れるっす!

「無理矢理!?そ、そんな...失敗したら大惨事じゃないっすか!!」

「ご主人はそれを望んでいる筈です。何故ならご主人は隠れMですから」

そ、そうっすかね?
俺に対して風当たりが強いのは気のせいですかね??

「で、でも俺も始めてなんすけど...」

「何を腑抜けた事言ってるんですか!!2人きり!!誕生日!!恋人の部屋!!こんな最高の舞台があるのにいつヤるんですか!?今ですよ!!」

「て、テンション高いっすね...」

黒板をバンバンと叩きつけてエネちゃんは憤慨する。そしてぐいっと顔をアップにさせて。

「思い出して下さい。何の為に今日に至るまで特訓を重ねて来たと思ってるんですか!貴方は少なくともそこらの男性よりは上手い筈です!」

「そ、そうっすかね」

そう言われると何だか自信出てきたっす。
エネちゃんの特訓は厳しかったなぁ...。

「さあ、漢になるんです!!そしてご主人を女にしやがれです!」

...分かったっすよ、エネちゃん。
瀬戸幸助、一肌脱ぐっすよ!!
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