シンタロー総受け
□GIFT
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3月28日。
今日は俺の誕生日っす!
皆から素敵なプレゼントを貰ってとっても嬉しいっす!
...俺の恋人、シンタローさんを除いて。
忘れてるなんて、無いっすよね?
「セト、醤油取って」
「はいっす」
「セト、お茶」
...無いっすよね??
そんな俺の気持ちも知らずしてか、シンタローさんはもぐもぐとご飯を食べている。
「...あ、あの、シンタローさん?今日、何日でしたっけ?」
「28日だな」
「今日、何かありましたっけ?」
シンタローさんはぴたりと箸を止め、置いた。そしておもむろにスマホを持った。
「今日は何も予定無いぞ。で、何でお前は俺の部屋に居る訳?昼メシ時に」
.........!!!
こ、これは。
本気で忘れてる!?いや、俺の誕生日はさりげなく教えてあるし、シンタローさんが忘れるとは思えない、けれど。
するとエネちゃんがけたたましいサイレン音と共に訴える。
「うるせえな」
「ご主人!貴方は何て酷い人ですか!今日はセトさんのt「あっ!!あそこ!鹿が居るっす!!」ええっ!?」
エネちゃんの気を何とか逸らす。
シンタローさんはポカーンとしている。そりゃそうだ。当然鹿なんていない。
「...大丈夫か?」
いや失礼っすよ。何て目で見てるんすか。
仮にも恋人っすよ。恋人。
「シンタローさん、ちょっとエネちゃん借りるっす」
「はあ?」
シンタローさんからスマホを奪い、一旦部屋から出てエネちゃんと会話する。
「エネちゃん、頼むから黙っていて欲しいっす」
「え、でもご主人完璧に忘れてますよ!?」
「...うぐ...そうみたいっすね。でも俺、シンタローさんに気付いて欲しいんす。それに今言ったら相当気ぃ使われそうな気がして」
え?お前誕生日だったの?
あ、あぁ...おめでとう。
みたいな。
恋人としてそんな気まずいムードは避けたい訳で。
「分かりました...私からの助けは無くて良いんですね?」
「お願いするっす...」