Dream
□とろける
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李典の鍛え上げられた逞しい体に、春姫は見惚れていた
「春姫、どうしたんだ?」
「あっ…!失礼しました…!今すぐ拭きますね」
春姫が濡れた布を絞り、李典の体を拭き始める。
李典の体を押さえている手から、李典の体温が伝わってくる。
その感覚が、春姫の心を溶かしていく。
(今私は曼成様のお身体に触れているなんて… ああ、曼成様の体温や鼓動が此の手に直に伝わってくる… 私の体が熱くなっていく… だんだん曼成様に酔っているのかな…?なんだかくらくらするわ)
春姫は朦朧とする意識の中で、ようやく李典の体を拭き終える。
「ありがとな、春姫!気持ちよかったぜ、俺ぇ!って、大丈夫か?春姫…顔が真っ赤だし、少しふらついてないか?」
「いや、大丈夫です、曼成様」
(こうなったのは、全部曼成様のせいなのよ。貴方は気づいていないだろうけど…)
「いやいや、大丈夫じゃないって俺の勘が言ってるぜ。狭いけど、ここで少し寝ていけよ。春姫に倒れられたら悲しいぜ俺…」
最初は迷惑をかけてはいけないと思い断ろうと思ったが、あまりにも心配そうな顔をするので、春姫は李典の言葉に甘えることにした。
「それでは、お言葉に甘えさせていただきますね、曼成様。」
春姫は李典を抱きしめ、己の身を李典に委ねる
李典も春姫を抱きしめた
二人は、お互いの腕の中で甘い甘い幸せに溺れながら、徐々に眠りに落ちてゆく
そして二人の心は熱を帯びて溶けていった