Dream
□月光
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魏は、戦に見事勝利し、城内では将軍や武将たちが宴を行っていた。
于禁の恋人であり、護衛武将の春姫も、今回の宴に参加していた。
しかし、肝心の魏の五将軍・于禁がいない。
春姫は心配して、城内や庭園を捜索した。
すると、庭園に人影がいるのを見つけた。
恐る恐る人影に近づく。
キッチリ整えられた前髪、冠、体格の良さ、まさにあのシルエットは于禁だと春姫は悟った。
「文則様、こんなところを一人で何をなさっているのですか?」
「私が宴に加わると、雰囲気を壊してしまうだろう。それに、あのような雰囲気は少し苦手でな。だからこうして一人でゆっくりと美酒を味わっていたのだ。」
「そうでしたか。あの…私もご一緒してもよろしいでしょうか?」
「ああ、そこに座れ。」
春姫は于禁の隣に腰掛け、于禁の横顔を見つめた。
今宵は満月の日。
月光は于禁の儚げな横顔を美しく照らしていた。
春姫は于禁の手に、己の手を重ねる。
「文則様、今宵の月は、とても美しいですね。」
「ああ、そうだな。とても美しく輝いている。まるで、春姫のように美しいな…」