Dream

□月光
2ページ/2ページ

魏は、戦に見事勝利し、城内では将軍や武将たちが宴を行っていた。

于禁の恋人であり、護衛武将の春姫も、今回の宴に参加していただ。

しかし、肝心の魏の五将軍・于禁がいない。

春姫は心配して、城内や庭園を捜索した。


すると、庭園に人影がいるのを見つけた。



恐る恐る人影に近づく。



キッチリ整えられた前髪、冠、体格の良さ、まさにあのシルエットは于禁だと春姫は悟った。


「文則様、こんなところを一人で何をなさっているのですか?」

「私が宴に加わると、雰囲気を壊してしまうだろう。それに、あのような雰囲気は少し苦手でな。だからこうして一人でゆっくりと美酒を味わっていたのだ。」

「そうでしたか。あの…私もご一緒してもよろしいでしょうか?」

「ああ、もちろんだ。隣に座るといい。」


春姫は于禁の隣に腰掛け、于禁の横顔を見つめた。


今宵は満月の日。


月光は于禁の儚げな横顔を美しく照らしていた。


春姫は于禁の手に、己の手を重ねる。


重なった手からお互いの温もりや鼓動が伝わってくる。

「文則様、今宵の月は、とても美しいですね。」

「ああ、そうだな。とても美しく輝いている。」



ふと目が合うと、二人は口づけを交わした。



甘く優しい口づけ。




于禁は春姫の肩を抱く。



春姫は于禁に身を委ねた





重なり合う二人のシルエット



月はそんな二人を包み込むように二人を優しく照らしていた
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ