長編
□ホタルブクロ
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多くの死体が少女を中心にして転がっていた
「……つまんない奴ら」
忍刀についた血を拭い、少女はそうつぶやいた
「……怒られてしまうかな」
薄暗く、山のほうが赤くなってきた空を見つめぼそりとつぶやく
不意に少女‐紫炎‐が指笛をふく
すると、狼たちが我先にと紫炎にすり寄る
「……お前たち、腹が減っているだろう?」
紫炎の声に同意するように短く吠える
「……さぁ、ごちそうだ。好きなだけ食べな」
少女の口元がゆっくりと三日月を描く
そして少女はその場を立ち去った
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「任務完了しました」
「うむ、ご苦労」
忍術学園学園長、大川平次渦正の後ろに静かに立つ紫炎は簡潔に述べた
「次の任務まで休みなさい」
「そのつもりです」
「そうか」
2人の間に、無駄な会話はない
というよりかは、紫炎が無駄話を嫌うため簡潔に済ませている
「……」
部屋から外に出ると、光が目を刺激する
「……朝……か」
紫炎は目を細めある場所にむかい歩いて行った
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