しょーとの集まり


□扉越しでもキスをして
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『ねぇ、いい加減ホントの事言ってよ』

「………だから、別にオレなんも隠してねーし」

『嘘付き』



私ね、分かってるんだよ?ベルがいつも任務の帰りにどこ行ってるのか。

いつもいつも、キミの甘い香水の中に爽やかな匂いを絡ませてさ。

大体、同じ時間の同じ距離の同じランクの任務に出たレヴィの方が先に帰ってくるなんて、寄り道してた証拠じゃん。

ねぇ、気付いてる?髪の毛にラメが乗ってるよ。

それに、今日はお酒まで飲んだんだね。

キミ、お酒飲むとちょっぴり目が見えちゃうんだよ。

注意力の低下、暗殺者としての致命的なミス。



『ね、ベル』

「あ?」

『あのね……………愛してた』

「…っんだよそれ…今は愛してねぇみてーな言い方すんなよ」

『別れよ』

「はっ…おい、待てよ!!」



―パシン―


伸ばされた白い腕を払った。

だって、私にも未練があるなんてとこ、知られたくない。



「……なぁ…頼むよ、王子一生のお願い」

『付き合ってた時も、何回も言ってたね。一生のお願い』

「じゃあ!!……あの女殺したら…戻ってきてくれるか?」



そう言うキミの目は、本気だった。

でも、私は優しくないから。

一般人の彼女を私の為に殺すベルなんて、そんなのキミらしくないから。



『…………未来永劫、愛してた…だよ』

「…みい……愛してる」



パタン、と談話室の扉を閉めて凭れ掛かった。



『………うん……ベル、私もね……』



もうじき冬だ。
廊下の冷気は優しくない。



『……C、H、U………』



背中にコツリと緩い音。



「……K、I、S、S………」



ごめんね、ベル。



『「………M、E………」』



やっぱりまだ、愛してる、のかもしれない。






けど。









『………E、N、D…』

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