しょーとの集まり
□キミの為の流星群
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任務で、怪我をしました。
「じゃあ…はい!!今からコレを殺します」
『………………はぁ?』
「よっく見とけよ…?」
―ヒュッ――ヒュヒュヒュヒュヒュ―――――――
ざくっ ぐちゃ べちゃ
効果音を付けるとしたらこんな感じ。
にんまりとしたベルはどこか誇らしげに、一体どこに隠してたんだーって思わずツッコミたくなる程の大量のナイフを、男たち目掛けて一斉にぶん投げた。
縛られ連れて来られた時点で既に半分死んでるような状態だったそいつ等(今はそれ等かな?)はやっぱり死ぬ訳で。
んでもって、当たり前のように血が飛び散る訳で。
…ココ、病室のベットなんですけど。
真っ白の中にぶちまけられた真っ赤はオシャレとは程遠い。
先日Sランク任務で腕を骨折した私。
目的は相手ファミリーのボスを消す事だから成功したっちゃしたんだけど…
忠実な部下さんはボス死して尚ファミリーを守ろうとまさかの手榴弾を投げちゃって、ポッキリボッカンイッちゃったらしく。
でもまぁ、ボスからは殴られなかったし骨折なんて放っときゃ治るし、こんなもんで済んで良かった良かったー…なんて思ってる矢先にコレですよ。
王子様、あなたはそんなにお暇なんですか?
なーんかやっぱ見た目からして暇人っぽいなニートだわコレうん、という目を向けていると王子はキョトンと小首を傾げて。
あら可愛いそのポーズでちょっと待っててカメラ持ってくるわ、とベットを抜け出す体勢になったのも束の間。
「なーなー、もっと嬉しそうな顔しろよ。王子がわざわざお前の目の前で殺ってやったんだぜー?」
前言撤回。おぞましいわっ!!
あんたまだ16だろーそんな愛くるしい顔で何と物騒な事言うんだ私のトキメキ返せコンチクショー。
『んーっと…あ、ありがとね☆』
とりあえず、精一杯の笑顔。
あ、ヤベー引き吊ってないかな?
だって私は王子と違って殺しで快感を得たりだとか血に興奮を覚えたりだとか、そんな猟奇的な精神構造してないもん。
よって仇を打ってくれるのはありがたいんだけど、サボテン作ってもらってもこれっぽっちも嬉しくないんだなコレが。
『え、ちなみになんでこんな面倒臭い事してくれちゃっ…してくれたの?』
おっと危ない。
いくら私の服にも跳ねたんだけど腕イッてるから着替えとか大変なんだぞとか思ってても口に出しちゃダメだ。
耐えろ自分。
「ししっ!!そんなん、王子がお前好きだからに決まってんじゃん」
ドキッとすんな心臓!!
『えっとそれは…友達的に?』
「ファミリー的に」
ほら見ろ無駄にドキッとなんてするからこうなる。
『ファミリー…ねぇ…うん。私って王子ん中でどんなポジションなん?』
「んー…遊び仲間」
『あぁ、確かに』
よく遊んでるもんな。
主に隊長で。
「まっ、とりあえずソレ見て元気出せよなー」
『うん。了解』
ソッコーで片付けてもらおう。
ヒラーっと手を振ってフラーっと出ていった王子に対して、私はこっそり心の中で
君の愛情表現はちょっとおかしい
と思ってた。