□柴田さん
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「勝家め、またあの女中を見ておる」

「気味の悪い妖風情が…
ああやって物陰からジッと見ていればあの女中も迷惑だろう」



私は廊下の影から女中の名無しさんを見ていた。

話かけようとは思わない。
ただ、姿を見れればよかった。
花の咲くような笑顔が私に向けられたら、と思ったが

どうせ、私の事など知りもしないだろう。


お市様は私の手からすり抜けて行ったが
あの女中だけは他の男には渡したくない。


私は影から見守っています。


名無しさん

どうかどこにも行かず、私の中での恋人でいてくれないか。

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