黒バス(その他)

□思ってる以上に
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「伊月く〜ん」

俺は今森山さんの家にいる。まぁ、いわゆるお家デートというやつだ。

「なんですか?」

ネタ帳を整理しながら森山さんに返事をしたら、何やらポーズをとりはじめた。そしてドヤ顔をして、

「俺は今、とても重要な事に気付いてしまったんだ…!」
「と、言いますと…?」

しょうがないから森山さんにノる。…いや、もう慣れたけど。

「まだ6月だというのにこんなに暑い。クーラーをつけているのにすごく暑い。ということは何をすればいいのか、俺は気付いてしまったんだ…!」

相変わらずの調子でいう森山さんに若干あきれながらも愛しさを感じてしまう俺は、多分自分で思ってる以上にこの人のことが好きなんだと思う。

「それで、何に気付いたんですか?」
「甘ーーい!!!」
「えぇ!?」

急に叫ぶ森山さん。

「直ぐに人に答えを求めてはダメだ!まずは自分の考えを見せないと自分を見失ってしまうぞ!」

今日はいつも以上に調子がいいですね、森山さん。構えというオーラをめちゃくちゃ出しながらその言葉を言われるともうわけわかりませんよ。まぁ要するになんだと思う?と聞いてるんだと思う。心の中でツッコミを入れた俺は考え始めた。

「う〜ん…扇風機ですか?前にテレビでクーラーと一緒につけると涼しくなるって見たことあります。」
「残念ながら伊月くん、うちに扇風機はないんだ。もっと別の方法だよ。」
「そうですねぇ…じゃあシャワーを浴びて汗を流すとかですか?」
「チッチッチ。残念ながらそれも違う。おっともう時間だ…それでは、答えを言おうかな。」

制限時間があったことを今知った俺は、待ってましたと言わんばかりの表情の森山さんを見て答えをまつ。


「正解は…アイスだ!」


「…え?」

「だからアイスを食べるんだよ。」
「あの、森山さん。ものすごく言いづらいんですけど…」
「ん?どうした、伊月くん。」
「あまりにも普通すぎませんか?俺けっこう真剣に考えてたんですけど。」
「心外だな。俺も真剣だぞ。」

いや、そうなんだろうけど。なんかあのドヤ顔必要なかったんじゃ…
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