黒バス(誠凛内中心)
□遅いです。
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いつからだろう。こんな気持ちになったのは。
「よーし!今日はもう解散だー。」
「ウス‼︎」
体育館に響く声。今日の練習が終わった。あーあ、なんか今日は疲れたな。そんなことを考えていると
「火神くん。大丈夫ですか?」
更衣室で着替えながらそう呟く黒子。
「ん?あぁ、大丈夫だ。」
「そうですか。なら、もしよかったら今日はマジバに寄って行きませんか?」
突然の誘いに戸惑う俺。でも平然を装って
「あぁ。たまにはいいかもな。」
なんて。
そう、俺は黒子が好きだ。初めてそう思ったときなんて覚えてない。気づいたら好きで、ずっと一緒にいたいと思った。でもやっぱり伝えることなんてできなくて。伝えたら今までの関係が崩れてしまう。チームメイトでいることすら許されなくなってしまうから。だからずっと隠してきた。
「遅くなってすみません。準備できました。」
「おう。」
校門を出てマジバに続く道を一緒に歩いていく。それだけで俺の心臓は高鳴っていた。
少しすると黒子が突然変なことを聞いてきた。
「火神くんって本当に付き合ってる人いないんですか?」
「っ‼︎はぁ⁉︎んだよ急に!」
「いえ。少し気になったので。」
なんだよ。『気になった』って。そっちはそんな気なくても、こっちは勘違いしちまうっつの。
「別にいねーよ。んなもん。」
「そうですか。じゃあ気になってる人とかいないんですか?」
予想外だった。まさか好きな相手からそんなことを聞かれるなんて。
「べっ別に!いるけど、言わねーからな!」
動揺を隠せない俺。そんな俺と同じくらい動揺して
「…いるんですか?」
そう呟く黒子。
どうしたのかと気になったけど、今はチャンスだ。このノリで黒子に聞きだすチャンス。
「そういうお前はいねーのかよ。」
「…いますよ。」
あーあ。自分で自爆スイッチ押しちゃった。そりゃわかってはいたけど、やっぱ本人の口から聞くとちょっと辛いわ。
「でも、もう無理なんです…。」
急に続きを話し始める黒子。
「無理ってどういうことだ?」
思わず思っていたことを口にしてしまった。