銀魂(銀沖)

□冗談でも
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「旦那、別れてくだせェ。」

一瞬何が起こったのかわからなかった。自分の足りない脳みそで何度も何度もその言葉の意味を考えて、やっと少し理解ができた。…理解したくもないけど。

「…沖田くん急にどうした?なんかあった?」
「別に俺はいつも通りでさァ。」

そう淡々と告げる姿は確かに…いつも通り。だからこそどうしてこうなったのかがわからない。

「なんでまた?」
「もう好きじゃないんでさァ、旦那のこと。」

最初は冗談かと思ったけど、こういつもと変わらない表情で言われると違うんだなと思ってしまう。

あぁ、そうか。俺は今まで自分一人の一方通行の想いだけで、この子のことを抱いてしまっていたんだ。

そんな重くのしかかる現実は、目を逸らしそっぽを向いても嫌でものしかかってくるだろう。
いつか沖田くんは俺じゃない誰か他の奴のところに行ってしまうんじゃないかなんてことは最初から考え、わかっていた。わかっていたはずなのに。早すぎるだろ…!
今さら沖田くんの事を嫌いになるなんて、手放すことなんてできるわけがない。
でもネチネチ女みたいに、なんで、どうしてって言ってるほうがよっぽどかっこ悪い。

…最後くらいは俺だってかっこつけたい。

なんでもないフリして、そう、じゃあしょうがないなって伝えようとした時…

「…くっ、ははっ!」

急に笑い出す沖田くん。
なに?なんなの?意味がわかんないんですけど。

「嘘でさァ。」

…は?

「だから嘘でさァ。旦那、今日が何日かわかりますかィ?」

今日が何日かって?んなの関係あるのかよ。俺は万事屋のカレンダーがある方へ目を向けた。
カレンダーは3月。
あれ?でも確か昨日は31日じゃなかったか?ってことは今日は4月1日。おいおい待て待て。

ということはつまり…

「エイプリルフール…!」
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