□e,15 あぁ無能‥
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ほら。と身体を向けられた方向には兄弟に傷の男、大佐達が居た。
確かに今自分がいったら自分の存在が知れる可能性はもちろん、人質になりかねない。
夢中で追い掛けていて気付かなかった。




「な?だからここにいろ」



名無しさんはコクリと頷いてヒューズと見守ることにした。
そこまで離れていないから耳を澄ませば会話も多少聞こえる。





「私を焔の錬金術師と知ってなお戦いを挑むか!!愚か者め!!」



ロイが発火布を摩擦しようと指を合わせる──




バシィ──



───ドカ ガガガ ガンガン







「え‥?」



突然のことだった。
リザがロイに足をかけて倒し、傷の男に発砲した。
予想外の彼女の行動に名無しさんは目をパチクリさせて声を漏らす。






「いきなり何をするんだ君は!!」



叫ぶロイ。当然の反応。

しかしリザはそんな彼に目もくれずサラリと一言






「雨の日は無能なんですから下がっててください大佐!」





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