◎long story◎
□e,o3 ロイ・マスタング
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「大佐、ヒューズ中佐が‥」
いつも冷静なホークアイ中尉が少し困惑気味な表情で入ってきた。
こう見えても勘はいいほうだと自負している。
どんな事態にも落ち着いて立ち会う冷静さも身につけているつもりだ。
でも今回ばかりは予想できなかった。いや、予想できた者はいないだろう。
こんな事態をすんなりは受け止められるはずがない‥‥
でもそれは――
――確かに事実だった
e,o3 ロイ・マスタング
「‥‥‥‥はぁ!?」
突然の訪問には驚いたが、別にいつもの親バカが始まるだけだろうとばかり思っていた。
「おーおー、驚いてる驚いてる。」
でも聞かされたのは全く違う話。
「まあ東部に行く途中で聞いた時にはさすがの俺も驚いたがな。」
今、自分の目の前にいるのは困惑気味のホークアイ中尉とケロリとしている親友のヒューズ‥‥と、あともう一人不思議な恰好をした少女──
「‥その話は本当なのか?」
「って言ってるぜ?」
よっぽど気が合ったのか何なのか、今さっき出会ったばかりで素性も確かではないと言う少女と身内のように話すヒューズ。
「嘘ならもっとマシな嘘つきますよー。」
そして当たり前のように普通に苦笑いしながら返事をする少女。
一体全体何がどうなってるんだ!!?
三時間程前──
アームストロング少佐に報告等を押し付け─いや託して、ヒューズ中佐と名無しさんは東部へ向かっていた。
「自己紹介が遅れたが俺はマース・ヒューズだ。軍部で働いててな‥一応中佐をやってる。」