□ue,18.5 頼もしきは
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彼らのことはよく知っていた。
特にアルとはやけに気があうのもあって近くにいることが多かった。

なんだけど‥









ue,18.5 頼もしきは








「!‥おい、アル!あいつ‥‥」


「?─名無しさん!」



もうわけがわからない気持ちの中で聞こえた二人の声。




「‥‥アル‥?」



いつもの反射でつぶやいたのはやっぱりアルの名前。
私の様子が変なのをいち早く気づいたのもアル。
びっくりだけど、なんだか彼にだったらとなんとなく納得してしまった。

ただ、一応ごまかそうとしてみたんだけど、




「今の時間は“コンバンワ”だけどな‥ごまかしてんのバレバレ。」



エドワード君に指摘された。
まさか彼に言われると思わなくて表情が固まる。




「兄さん!」


「どっちにしたってこんな時間に女が外で一人なんて危ないぜ。あがってこいよ。階段上って正面の部屋だ」



アルの制止も気にせずに、私の方から視線をはずさずに、エドワード君は言った。
まあ正直、すごくありがたかった。勢いで飛び出した私は宿もお金もないわけで、何より心が不安定だった。


宿屋にはいって階段を見つけるとゆっくり登りだす。
なんだか救われた気分で一段一段を踏みしめる。ふと思い出すエドワード君の言葉、姿。
ふと足が止まる。




「‥‥‥―」



エドワードの誘いに宿に足を踏み入れる直前に名無しさんは東方司令部のほうを振り返った。

ただ単に寂しくて振り返ってしまったんだと思った。
けれど今思えばそんな理由ではない気がした。



今はまだあんまり素直にそう思いたくないけど、





司令部のほうを振り返ったのは、









「―ッ‥‥たいさ‥」




あなたとエドワード君が重なったんだ。




誰よりも頼りにしていた。
わがままも言えて甘えられた。
すぐ仕事をためてリザさんに書類を催促されて、ジャンさんたちに容赦なく仕事を押しつけて、少しキザっぽいところがあって、それで‥‥






、それでも頼もしかった。



不意に零れそうになった涙は瞼を閉じて押し込めた。



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背が低くて危なっかしい印象の彼


アルのほうがお兄さんみたいだって思ってたのに


見抜かれた心と強引にみえる優しさにぶっきらぼうさを感じて笑ってしまいそうだけど、



“頼もしい”って思った

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