□ue,17.5 予感
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聞きたくなかった







認めたくなかった







予感はしてたんだ







不安はあったんだ









でも







知らないフリしてた







気付かないフリしてた







“それはない”って









たぶん私は






彼等の優しさを使って







自分を錯覚させてたんだ













ue,17.5 予感









大佐のその一言が耳に入った瞬間――





息ができなくなった






まるで時間が止まったみたいに微塵も動けなかった







今まで笑って過ごしてた







そんな自分が







その全てが







自惚れだったんだって







一気に恥ずかしくなった










何で疑わなかったの?







冷静になればすぐだ









そういえば“アレ”が言ってたなぁ





“夢心地”





正にその通りだった







気付かないだけで相当浸ってたみたいだね




馬鹿だなぁ私












嘘。




本当は予感くらいあった





でもあくまで憶測だから、馬鹿な憶測のままでありたかったよ




あんなに優しかったのは嘘だったの?

面倒だと思いながらだったの?

私のことがバレたら態度を急変させて引き渡すの?



自分の手が震えてるのがわかる。私はどうするべきだろう。


大佐達のところへ飛びだすべき?
それとも聞かなかったふりしてまた眠りにつくべき?




もしこのまま知らないふりしたら、みんなは今と変わらず私に優しくしてくれて、


それで私もみんなに好かれるように努力したら、




そしたら、



そしたら大佐も私を大事に思ってくれるようになるかな?


私のことがバレたときに引き渡さないで守ってくれるぐらいに、大切にしてくれるかな?


偽りの優しさがいつか本物になるのかな?


そんな淡い期待を抱いても良いですか?









此処にいたいんです。





此処に居場所が欲しいんです。





ねぇ大佐、





私の場所は此処だと言って



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震える手がおさまらない



足の動かし方がわからない



早くソファに戻らないと、



聞かなかったふりをしないと、




私の居場所がなくなってしまう

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