初代×雲

□tempesta =後編=
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「何処いったんだあいつ…!」

「おぉどうした雨…探し物か?」

「晴…!雲を見なかったか?」

「雲…いや、見てないが…」


そのとき、爆音が屋敷を囲む森から聞えてきた

二人は驚いて、廊下にある大きな防弾ガラスで出来た窓から外を見る

嵐の中、森から煙が上がっている

ただ事ではない

瞬間、雨は気付いた


「まさか…」

「雨?」

「晴!屋敷を頼む!」

「お、おいっ…雨!!」


屋敷を晴に任せて雨は嵐の中を飛び出した

距離的に、1キロは離れているのだろうか

しかも、この雨だ

足元がぬかるんで上手く走れない


「っ雲…」


あの人だけは、守らなければいけない

何があっても、絶対に

約束だから―――


「っ…ぷりー、も?」


空で、炎が舞った

鮮やかなオレンジ色の炎

飛んでいく方向は、煙の舞い上がる場所

雲が、いるであろう場所


「……大丈夫、か」


守ると、決めた人の傍には…

自分よりも、強くて頼りになる人がいる

強くなりたいと思う

守りたいから……―――
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