初代×雲

□tempesta =前編=
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「ふむ・・・ 手応えのない輩ばかりだな」


そのころジョットは、雷の守護者のファミリーを潰したという敵対勢力の屋敷へ赴いていた

もちろん、屋敷にはすでに生きてる人間は無いに等しい

額に灯る炎が煌々と燃え盛っていた


「残るは、ボスのみ、か?」


何か妙だ

雷の守護者の屋敷をアレほどまでに壊滅させてしまった輩がいるはずなのに、それはない

みんなジョットに歯が立たず、次々に沈んでいった

では、わざわざボス自ら潰しに行ったのだろうか

まぁ、ボスに会ってみれば分かるだろうけれど


「という訳で、」

「ひ…っ」

「Ciao」


どうやら、これもはずれらしい

反応を見れば一目瞭然だ

では、一体誰が?


「ひとつ、聞きたいことがある」

「な、なんだ…っ」

「ここと敵対していたファミリー…アレを潰したのは、誰だ?」

「雇った人間だ!このファミリーのものではない!!」

「ほぉ?」


雇われた人間か、なるほどそれなら納得がいく

雇われて、目標を駆逐したら報酬を貰って終わり、か

だが、ここにはいない

すでにもう次の雇い主を探しているのか、それとも・・・ 


「っは、普段ならあんなやつに金を払ってまで雇ったりはしないんだがな」

「何?」

「あいつは何も知らないようだが…あいつは―――」

「――――…っ」


その話を聞いた途端、虫酸が走った

すぐに、その屋敷には誰も居なくなる

人間だった物だけが、無数に転がっていた







 
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