∞×雲雀恭弥

□副委員長の特権
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今日は青空が広がり光輝く太陽とと真白な雲の良い天気

昨日降っていた雨は水溜りという片鱗を残して綺麗に過ぎ去っていた

今日も良い日になりそうだ

そして…


「恭弥ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

「うるさい」


―――あぁ今日もまた、始まった






=== 副委員長の特権 ===






ことの始まりは数週間ほど前にさかのぼる

いつものように風紀委員の仕事をこなしていた委員長

俺はいつものように警備に当たっていた

そこへやってきた委員長の幼馴染である笹川了平

委員長にようがあるらしく俺は扉を開いて入れても良いか確認をとる

いつもより神妙な面持ちの笹川に委員長は首を傾げ家おられた

何事かと顔を顰めて話を聞く委員長

しかしそれはとても想像もつかないような言葉だった


『俺は恭弥に恋しているようだ!!』

『…は?』


あまりにも突発であまりにも衝撃的で一瞬言葉を失ったのを今でも覚えている

扉越しにも解る委員長の驚きように俺も思わず瞠目した


『寝言は寝て言いなよ』

『寝言などではない!俺は本気で恭弥のことが好きだ』

『それが寝言だって言ってるんだよ…自分仮名に言ってるのかわかってるの』

『極限任せろ!解っているに決まっている!』

『解ってない、第一僕は男だ』

『そんなもの関係ない!』

『十分関係あると思うんだけど』


今にもトンファーを取り出しそうな委員長の声に俺ははらはらしていた

応接室が血の海に染まるのはいただけない


『俺は恭弥のこと考えると夜も眠れないのだ!』

『馬鹿?』

『俺と付き合ってくれ!』

『嫌だ』

『どうしてもか…』


笹川の声が少し沈んだのがわかる

おそらくこれで諦めるだろうと思っていた俺はいつの間にか入っていた肩の力をぬいた

しかしそれは次の委員長の言葉によって打ち砕かれる


『じゃぁ条件をつけようか、僕に勝てたら付き合ってあげる』

『本当か!』


思わずその場から動けなくなった

しかし、委員長らしいといえば委員長らしい

これは俺の推測でしかないが委員長もまた笹川のことが好きなのだろう

それを認めたくなくて自分に勝てたら、といったのだろう

委員長は素直ではない

それからというもの毎日のように繰り返される攻防

仕事中の委員長の下をたずねては繰り返し繰り返し返り討ちにされていく笹川が不憫に思えた

委員長も人が悪い

あぁ今日もまた始まった

それが冒頭の二人の会話だ

  
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