∞×雲雀恭弥

□A presto
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「ちゃぉ〜」

「……なんで君がここに居るの」

「キョーヤに逢いに来たに決まってんじゃん」

「イタリアに帰ったんじゃなかったの…ベルフェゴール」


リング戦から数日がすぎた

いつものように応接室で仕事をしていれば突然扉が開いて先日まで敵であったヴァリアーの幹部…

ベルフェゴールが当然のように現れた


「帰ったには帰ったけどさぁ〜暇だから来た」

「…君は暇だからってわざわざ海を越えてこんなところに暇つぶしに来るの」

「しし、だってオレ王子だし」


どこか楽しそうに笑う

恭弥もどことなく口元が笑みの形になっていた


「それで今日は何?」

「今日はぁ〜変態の焼いたクッキー」

「…あぁあの」

「あいつ変態だけど菓子は絶品だからさぁ」


恭弥に逢いに来るたび何か手土産を持ってくる

今日は変態扱いされているヴァリアー幹部・元XANXUS晴の守護者だったルッスーリア作のクッキーらしい


「そうそう、紅茶葉も」

「あぁ、僕が淹れるよ」

「マジ?ラッキー」


機嫌が良いのか恭弥自ら紅茶を淹れてくれるという

いつもなら書類と睨めっこしてるうちにベルが淹れるのだが…


「今日は珍しく風紀が乱れてないからね、何があったのk知らないけれど」


少し不思議に思いながら恭弥は紅茶を淹れ始める

恭弥に背を向ける形になるソファーに腰掛け背もたれに両肘を着いてその様子を眺める

そして口元を笑みの形にゆがめたベルが恭弥には聞こえない程度の声で呟く


「群れてる奴らっての、全部オレがやっつけたもんね」

「何か言った?」

「なぁんも」

「?」


恭弥の仕事が増えて二人の時間を邪魔されないように

ベルは恭弥が見つけたら取り締まるであろう連中を先に病院送りにしていた

殺してはいない

今から恭弥に逢いに行くというのに血に染まるのはイヤだと思ったからだ

二人で逢える機会なんてそうそうあるわけではないのだから…



  
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