綱吉と過ごしたカウントダウン

□2007.12.29.(sat)
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目が覚めると、沢田の顔が正面にあった





=== 12/29(土) === 4日目 ===






あれから、家に運んでまず布団を敷いて沢田を横たえる

傷を治療して、額に濡れタオルをおく

あいにくとうちにアイスマクラとか、そういうのはおいてない

僕ひとりだしね

風邪を引いたら病院にいけば良いし…


「…まったく、なんだってこんなになるまで頑張るんだか」


そもそも、強かったり弱かったりしてよくわからない

赤ん坊が言ってたけど、死ぬ気の炎っていうのが関係してるらしい

赤ん坊が居ないと、ただの“ダメツナ”ってことかな?


「…あ、バイク」


学校においてきた

まぁ良いか、明日は歩きでいけば良い話だ

とりあえず、家に残ってる仕事を片付けようか

そのまま夜中まで仕事をして、沢田の隣の客間に布団を敷いて眠った




「――…」


目が覚めると、人の気配

今日はあの五月蝿い鳥に起こされずにすんだらしいけど…


「お、…おはようございます」

「……あぁうん、おはよ」


沢田、また僕の顔を覗き込んでたみたいだね

なにが楽しいんだか…

…でも、なんでそんな泣きそうな顔してるんだろうね


「…傷は?」

「あ、もう大丈夫です、修行で鍛えられましたから…」

「……そういう顔、してないけど」

「え…」

「“大丈夫”なんて顔、してないって言ってるの」


上半身を起こして、沢田の頬を思い切り抓ってやる


「いはいいはいいはいぃっ」

「あぁ、口も切れてるんだっけ」


忘れてた

手を離してやると頬を抑えて涙目の沢田

なんか無性に面白くて、笑えた


「クク…、沢田って面白いよね」

「俺はものすごく不本意です!!」

「クスクス、まぁそうだろうけどね」

「―――…っ///」


…なんでそこで赤くなるんだろうね

ホント、沢田は見ていて飽きない

ひとりで百面相する姿はいっそ面白い


「…さて、そろそろ朝ごはんにしようか」

「あ、そういえばここってどこなんですか?」

「ここ?僕の家に決まってるでしょ」

「……えぇぇぇぇぇぇ?!」


何を当たり前のことを聞くんだろう

まぁこの家に来たことのある人間なんて片手で足りる程度だけれどね

朝ごはん、何にしようかな

昨日のお弁当(ボロボロだったけどね)からしてみるとけっこうお子様な舌の持ち主らしいし…

ハンバーグ…で、いいかな

僕も好きだし


「ほら、朝ごはんの前に顔洗ってきなよ…歯は磨ける?」

「…沁みない程度に」


それじゃぁ、僕は朝ごはんの準備でも始めようか
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