初代×雲
□雨のち曇り…霧が晴れて大空広がり
1ページ/4ページ
時々、ふと思いつく
「僕たちは、どこから間違ってしまっていたのでしょう」
「……どうした、突然」
窓枠に腰掛けて、外を眺める
どこまでも広がる大空と、寄り添うように共にある紅い雲
東から、闇が襲う
空蝉 夕暮れ 染まる紅
あぁ、これだから人間は…
「おや、あなたは知っているのではないですか?」
「…さて、なんのことだかな」
「いつまでも、そうして白を切り通せる事でもないと思いますけどね」
窓枠から降りると、スタスタと扉の方へ向かう
それを目で追って口を開いた
「む…厠か?」
「仕事です!」
バタンッと大きな音を立てて扉が閉まる
一人残されたその人は、持っていた万年筆を置いた
夕陽が、金色の髪を照らす
「どこで間違った、か…」
―――それは違うぞ、霧…
自嘲するように顔を歪めて、目の前にある資料を手に取った
そこに記されている人物を一瞥すると、手に炎が灯り…一瞬にして燃え上がった
「さて、俺も仕事に行こうか」
あぁ、今日もまた…
闇が、来る