初代×雲

□Nebbia
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「見てみろ雲!今日は霧が濃いから、きっと霧の守護者に出会えるはずだ!」

「そんなノリなの?守護者ってそんなんでいいの?」

「問題ない、俺が出逢えると直感したのだからな」

「あぁうん、きみの超直感には痛み入るよ」


だからって、まさか本当に何か拾ってくるなんて思っても見なかったけどね





=== Nebbia ===





「…ん?あれ、何してるのジョット」

「あぁ、午後の一時を過ごしているのだが?」

「そうじゃないでしょ、何それ、その小さいの」

「お前も十分小さいぞ?」

「五月蝿いよ、そういうこと言ってるんじゃなくて、その、見るからにみすぼらしい格好の子供は何って訊いてるの」


ジョットが座るソファーの正面

テーブルを挟んだ向かいのソファーに座っている、どうみても孤児としか言いようのない子供

可愛そうに、突然こんなところに連れてこられてビクビクしてる


「第一、ここ僕の城だよ…勝手に入ってきていいのは君だけなんだけど」

「そう堅いことを言うな、この子供は城下町の教会で拾ってきたんだ」

「城下町の…?」

「それより雲、風呂と着る物を用意してやってくれないか」

「何で僕…」

「お前なら服のサイズも同じくらいだと思ってここに連れて来たんだ」

「それはなに、僕が小さいって言ってるの」

「歳相応だろう、まだ11なのだからな」


僕とジョットが出会ったのは、3年前

僕が8歳の時

見るからに僕より年上のジョットは、3年経った今でも見た目がまったく変わっていない

実年齢を聞いてみたいけど、怖くて聞けない


「仕方ないね、ねぇ君、名前は…?」

「っ…」


一歩、その子供に近づいたら思いっきり拒絶された

すっごい脅えてるって言うか

可愛そうに、震えてるよ


「………ねぇジョット」

「なんだ?」

「君、どうやってこの子連れてきたの」

「どうやってって…担いで」

「誘拐?!」

「あんなところに居たら死んでしまうと思ったのでな、思わず…」

「世間一般ではきみみたいなヤツを変質者、またわ誘拐犯って言うんだよ」

「お前に世間一般の知識があることに驚きだ」

「君の中で僕の認証どんだけお坊ちゃんなの」

「お坊ちゃんではない、王様なのだからな」


そりゃ僕は王だけど…

世間のことくらい知ってるよ

っていうかこれくらい常識だよ

これだけ騒いでるのに、ジョットは変わらずコーヒーブレイクを楽しんでるし


「お、ぅ…様?」

「え?」

「ん?やっと口を利いたな!」


いや、そんな嬉しそうに…

やっとって、この子に何も聞かずに連れてきたのか

やっぱり誘拐…


「こんな治安の悪い国の王なんていっても、民は誰もついてきてくれないだろうけどね」

「そういうな、お前はまだ小さいのだからもう少し大きくなってから国を治めて行けばいいだろう」

「そんな悠長なこと考えてるから、この子みたいなのがいるんでしょ」


どうしようもないね本当に…

なんか、すごく驚いた目でこっち見てるよ

あれ…
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