初代×雲
□La mia famiglia!!
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「そんなに僕のこと、信じられない?」
「……そういうわけでは、ないのだが」
「大丈夫だって、もう昔みたいにそこら辺で倒れたりしないから」
「それでもはやり心配なのは心配だ」
「………君みたいなのを、父親みたいって言うんだろうね」
=== La mia famiglia!! ===
僕の周りにいるのは、血はつながっていないけれど、家族と呼べる人たち
「お!雲、久しぶりだな」
「…うん」
久しぶりにアジトに顔を出すと、まず最初に話しかけてきたのは“雨”
彼は元・国軍軍人…確か若干19歳で大尉にまでなってた期待の新人、って呼ばれてた
軍を抜けるときは、22歳で中佐にまでなっていて、大佐に任命するか否かで僕のところに資料が届いてた矢先だったからよく覚えてる
なんたってこれでも僕は国王だからね
「また病気か?それとも国で何か…」
「仕事だよ、この時期は一番忙しいからね」
「そか、なら良いけどさ」
雨は、例えるなら兄、みたいな存在なのかな
昔から知っているし、僕の境遇も知ってる
知っていて何もいわないし、心配してくれるときはこうして訊いてきてくれる
部下としても最適だったけれど、こういう兄としても最適なのかもしれないね
「そういえばプリーモはまだ部屋にいるか?」
「いるよ、また親みたいな言葉で送り出されたけど」
「アッハハ!確かにプリーモは親みたいなもんだよな」
ボスというのは、ファミリーの大黒柱
父親みたいっていうのはあってるけど
「彼は、愛娘を心配する父親みたいなんだよね」
「あぁそれなんとなくだけどわかるぜ、特に雲と一緒にいるときなんかはそうなのな」
「僕と…?」
「だって雲、箱入り息子みたいなもんだろ?」
「……それもそうだろうけど、僕は男だよ」
「なんつか…んー、細いし、小さいし、体も弱いしで、なんだかんだいって心配なんだよな」
「君までそんなこと思ってたわけ?」
「―――配下として、君主の事を心配するのは当たり前ですよ」
「……そう」
「ま、今は仲間としていろいろ心配なんだけどな」